十勝の活性化を考える会

     
 勉強会や講演会を開催し十勝の歴史及び現状などを学ぶことを通じて十勝の課題とその解決策を議論しましょう

【解散のお知らせ】

2023-08-01 16:09:53 | 投稿

【解散のお知らせ】


十勝の活性化を考える会は、十勝の地域活性化を目的として、2019年に設立されました。
会員は、十勝にゆかりのある人々や十勝の地域活性化に興味のある人々で構成されていました。

会員は、十勝の地域活性化のために、様々な活動を行いました。例えば、十勝の地域資源を活かした観光振興策の提案や、十勝の農業や酪農の振興策の提案、十勝の地域住民の交流促進策の提案などです。
また講師を招いて講演会を開催したり、各地に見学旅行も行いました。
会を立ち上げてから、多くの会員の皆様のご協力をいただき、多くのことを学び、成長することができました。
しかし、コロナ禍やその後も会員の皆様の年齢や体力の問題により、以前のように集まって講演会や勉強会を行いというような会の目的の継続は現実的に困難な状況となりました。
これらの理由から、会員の皆様の意向も確かめたうえで、2023年7月31日をもって会を解散いたしました。
解散後の残余財産については、会長の責任において、社会福祉機関に寄附させていただきましたので、会員の皆様のご理解ををお願いいたします。
解散は、残念ですが、これまでの活動に感謝の気持ちを忘れずに、今後はそれぞれの道で頑張っていきたいと思っています。
皆さまには長きに渡りご支援・ご声援を頂きましたこと、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
2023/08/01


「十勝の活性化を考える会」事務局 川森 淳治


未来社会

2023-05-25 05:00:00 | 投稿

 

2023年3月に出版されたばかりの原俊彦著“サピエンス減少~縮減する未来を探る~の本には、“人口減少”によって人類が滅亡する恐れがあることが書かれていた。人口減少は、様々な社会の人口構成を変化させて、利害対立と格差拡大をもたらす。

世界人口は、2022年11月15日に80億人に達したらしい。そして、今世紀末までに100億人を突破する見通しであるが、その後、中国・韓国・日本などの近代国家では人口が減り続けて、世界規模で少子高齢化が進行するようになる。すなわち、生産人口が減り続けて飢餓で死ぬ人が増えるといっている。

国立人口問題研究所によると、100年後の日本の人口は約2/3が減少し4千万人台の予想もある。気候変動や動植物の絶滅など、人間活動の影響で地球規模の異変が急速に進行しているのである。

文明の発達を享受する我々は、先史の暮らしには戻れないので、人間活動が地球に悪影響を与えているという自覚のもとで、今後の共生のあり方を模索するしかないだろう。近い将来、人口爆発とそれに伴う格差拡大などから様々な困難にも取り組まねばならないと思っている。

未来学者 エイミー・ウェブ氏が、コロナ後の社会について社会が急速に変わっていく時、目の前の小さな兆しをキャッチし、5年後・10年後の未来を予測することが出来ると言っていた。若者たちの地方移住は、その前兆なのであろうか・・・。

自然豊かで農業や観光業が地域を支えている十勝には、北海道の中でも札幌圏に次いで人口減少率が少ないが、これからは地方の時代になる可能性があるかも知れない。これからどのような社会を望むのか、一人一人が考える時期にきていると思う。

「十勝の活性化を考える会」元会長

注) 十勝はこんなところです。

十勝は、北海道を14に分けた行政区画である振興局の一つで、北海道の東部に位置し、1市16町2村から構成される地域です。 十勝の開拓は、明治16年(1883年)に「晩成社(明治15年1月、現在の静岡県松崎町で結成)」一行27人が、下帯広村に入植したことによりはじまりました。

その後、寒冷な気象条件にありながらも、広大で恵まれた土地資源、年間2,000時間を越える日照、良質な水資源等、豊かな自然環境の中で、農業・林業・水産業といった1次産業を柱に地域が発展してきました。

(出典:十勝観光連盟ホームページより)

                     


中国経済

2023-05-24 05:00:00 | 投稿

 

世界経済が、コロナ禍に加えてウクライナ戦争をきっかけに大変な事態に陥っていたが、新型コロナも5類となり日本経済も回復しつつある。アメリカにおける銀行の破綻など世界経済はまだ余談が許されないが、5月19日からの広島サミットで、良い方向に向かえばいいと思っている。

先日、1989年の天安門事件が起こる前から、数回にわたって中国に行っている士幌町在住の知人と会った。そして、現在の中国にある杭州市の映像を、ビデオで見る機会があった。その写真が下図である。

杭州市の面積は、東京都の約8倍、人口が約1,000万人であるから東京都の人口よりもやや少ない。上海から南へ170キロのところにあり、世界的な企業の本社が多数あり、世界自動車ショーなどが開かれている。国際的な消費センター都市として発展を遂げており、知人はまず訪れて実態を知ることが大切であると言っていた。

私は北京、上海、香港など三回にわたって中国を訪れているが、昔の中国なので、その変わりようにびっくりしている。世界2位のGDPで見せつけられた思いで、日本の地位はどこまで下がるのだろうと思った。

また、帰りに帯広駅で観光旅行に来た若い外国人ご夫婦にあった。片言の英語で話すと香港から来たらしいことが分かった、今年に入って入国制限が撤廃されたこともありニュースによると、中国人や台湾人の外国人観光客が増えているそうだ。なお、先の知人は大阪府に長く住んでいたそうで、現在、中国語の講座を開いているそうである。

「十勝の活性化を考える会」会員


十勝の土壌

2023-05-23 05:00:00 | 投稿

 

日本の食料基地の一旦を占める十勝の農家では、後継者がいても嫁や婿に来る者が少なく跡継ぎがいないために離農し農家戸数が減少している。それが、最近の円安による飼料の高騰などから一層加速している。

また、農業の生産性を上げるためには化学肥料や農薬がたくさん使うようになっており、日本では有機栽培が農地全体の1%弱しかなく、地力が減っているのである。すなわち、農地の保水力が無くなり農薬を使い過ぎると植物は病気になりやすいのである。

こんな状況にあって、地元の帯広畜産大学で十勝の土壌を長く研究している教授がる。谷 昌幸教授である。彼は大阪市出身であるが、日本や世界のために持続的な食料を支えるために、土壌の力を引き出すための研究をしている。環境土壌学である。これまでの土壌学は、主に自然科学的な手法に則って食糧生産技術の向上を目指す方向に進んできた。

一方で高度化した社会は、農や土から距離を置くようになり、農業や土壌の持つ本質を見失いつつある。自然と人間がともに一体であるという視点でとらえ、人と環境との関わりを多角的な視点から探っている。持続可能な自然と社会の調和のため、人間は土から離れては生きていけない。

以下は、谷昌幸教授が現在取り組んでいる研究テーマである。

  • 北海道の加工用バレイショ栽培における施肥技術と土壌改良に関する研究
  • 窒素とマグネシウムの施肥がバレイショの収量と品質に及ぼす相互的な影響
  • 土壌肥沃度と保水性の評価
  • 混合堆肥複合肥料の施用によるリン酸減肥の可能性
  • 土壌撹乱が土壌特性の空間変動と作物生産に及ぼす影響
  • 家畜ふん尿を原料とする堆肥に関する研究など

土壌には未知なる機能がたくさん残っており、農作物の生産を行う上でこれまでに着目してこなかった成分、つまり窒素やリン酸といった肥料成分ではない“何か”が大切ではないかと、考えているらしい。

従兄も、隣町のスケート選手 高木美帆さんを生んだ幕別町で、2人のインドネシア人を雇用して酪農業を営んでいる。ふん尿の臭いが問題になっているので、ふん尿を有効利用する良い方法を開発してほしいと願っている。

また、食たりて礼節を知るではないが、食が満たされてこそ人間は生きていけることができるので、ここで知人が詠んだ俳句を一句。 

 いずかたも 地は荒らぶれど 休耕田

日本の国土疲弊、食料自給率の低下を詠んだ俳句である。まさに、減反政策で休耕田が増えている日本の農業に関する俳句である。

(写真:本来の十勝の土壌)

「十勝の活性化を考える会」元会長


湿原の宝石

2023-05-22 05:00:00 | 投稿

 

先日、北海道新聞の今日の話題欄に湿原の宝石のことが書かれていた。湿原の宝石とは、オオサンショウウオの卵を包む袋「卵のう」である。透明感のある青色から「湿原のサファイア」の異名がある。

キタサンショウウオのいる釧路湿原は、東京都のJR山手線内にすっぽり入る約2万6千ヘクタールの湿原で、国内にある湿原の面積の約3割を占めている。若い頃、日本百名山の“至仏山”と“燧岳(ひうちだけ)”の頂上から「尾瀬ケ原湿原」を見たが、釧路湿原の大きさはその約35倍で、とても大きいのである。

釧路湿原は、最高気温が20度以上にならないため乾燥化が進まず、また釧路沖で千島寒流と日本暖流がぶつかり合うことによって、有名な“釧路の霧”が発生することで湿原が保たれている。その霧は、80キロ離れた“摩周湖”の霧にもなるのである。“霧の摩周湖”の唄は布施明が歌っているが、摩周湖を見る展望台ではいつもBGMで流れている。

ところでキタサンショウウオが、環境省の絶滅危惧種に指定されている。その理由のひとつが湿原の汚染で、湿原の周りのあちらこちらに真っ黒な太陽光パネルが規則正しくびっしりと設置されているらしい。太陽光パネルの処理方法がまだ出来ていないと聞いている。以前は、釧路湿原が産業廃棄物のゴミ処理場として問題になったことがあるが、人間のやることは何と浅はかなのであろうか。

「十勝の活性化を考える会」元会長

 

注) 釧路湿原

季節やエリアによって全くの別世界が広がる、日本最大の湿原

釧路湿原は、釧路川とその支流を抱く日本最大の湿原で、その広さは東京の都心がすっぽりと入ってしまうほどです。約700種の植物、39種の哺乳類、4種の両生類、5種の爬虫類、38種の魚類、200種の鳥類、そして確認されただけでも1,150種の昆虫が生息しています。特別天然記念物に指定されているタンチョウなどの水鳥をはじめ、多くの野生生物の貴重な生息地となっています。

釧路湿原には、細岡展望台、北斗展望地、釧路市湿原展望台、コッタロ湿原展望台、サルボ・サルルン展望台と、5つの展望台があり、それぞれ異なった湿原風景がパノラマで楽しめます。また、釧路市湿原展望台の遊歩道、温根内木道、シラルトロ湖の遊歩道、細岡展望台の遊歩道、達古武夢ヶ丘歩道、塘路湖畔歩道・フィトンチッドの森歩道と6つの遊歩道が整備されており、バードウォッチングや植物観察が心ゆくまで楽しめます。

(出典:北海道観光振興機構ホームページより)