十勝の活性化を考える会

     
 勉強会や講演会を開催し十勝の歴史及び現状などを学ぶことを通じて十勝の課題とその解決策を議論しましょう

資本主義はなぜ自壊したのか

2019-12-31 05:00:00 | 投稿

先日、中谷巌著「資本主義はなぜ自壊したのか」の終章に、以下のことが書かれていた。

  『あのアダムスミスの見えざる手を曲がりなりにもはたらかせることができたのは、市場経済を『不純』にするさまざまな『外部』の存在が、その本来的な不安定の発現を一定程度おさえてきたからなのである」。

 外部の存在とは中央銀行や強制力を持った政府のことである。中央銀行が通貨の管理をし、政府が所得再分配政策や環境規制をするといった、市場から見ると「不純」なことが国内経済ではそれなりに存在していた。

 しかし、グローバル資本主義の下では、そのような強制力を持った「外部」は存在しない。つまり、グローバル資本主義というモンスターには、今のところ天敵はいないのだ。

 だが、このことを世界中の人々が認識できれば、ひょっとすると我々はこのモンスターに一定の枠をはめる知恵を見出すことができるかもしれない。怪物の動きを拘束する何らかの有効な鎖を作りあげることができるかもしれない。そのためには、まず我々は「欲望の抑制」ということを学べなければならない。

 このまま手をこまねいていれば、やがてはグローバル資本主義というモンスターはふたたび暴れはじめ、己自身をも破壊するほどの猛威を振るうだろう。そして、その厄介は間違いなく我々自身にも降りかかってくる。

 だが、そのときになって初めて気づいても遅すぎるのだ。モンスターを暴走させ、人類を滅びの淵に追いやったのは、欲望を抑えることができなかった、他ならぬ我々自身であると』。

 私はこの本を読んで、スウェーデンの「グレタ・トゥンべリさん」の言葉を思いだした。 「そのときになって初めて気づいても遅すぎるのだ」と。

 

 良い新年をお迎えくださいませ・・・・・!

 

 「十勝の活性化を考える会」会長

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支援につながる前に、危険に取り込まれる少女たち

2019-12-30 05:00:00 | 投稿

私が代表を務める女子高生サポートセンターColabo(コラボ)は、2011年から「すべての少女に衣食住関係性を。困っている少女が暴力や搾取に行き着かなくてよい社会に」を合言葉に、10代の女性を支える活動を行っています。夜の街で家に帰れずにいる少女たちへの声掛けや相談に乗るほか、児童相談所や警察、病院などへの同行丈援、シェルターの運営などを行っています。2018年10月から、夜の渋谷と新宿の繁華街に停車させたバスを拠点にした10代女性無料のバスカフェ「TsubomiCafe」を始めました。1年間で35回開催し、3100名以上の少女たちに声掛けをし、500名以上がカフェを利用しました。
私も15年ほど前、中高生だった頃、父親のDVや母親の鬱病、両親の離婚、虐待などから、家が安心して過ごしたり眠ったりできる場所でなく、街を徘徊する生活を送っていました。その時に困ったのは「飯と宿」。少女たちにとって「ホーム」に感じられる場所の一つになれればと活動しています。
 当時、「ネットカフェ難民」が社会問題化し、ネットカフェで寝泊まりする30代男性がテレビでよく取り上げられているのを見ながら、「うちらもじゃん!ホームレスだよね」とつぶやいていました。「大人だけでなく、中高生の中にも家に帰れず生活をしている人がいるのに、・・・」と思っていたことから、当時の経験を『難民高校生』(英治出版2013年、ちくま文庫2016年)に書きました。自分と似た状況にある子どもたちの問題が、「不良少年」「非行少女」として、子どもが悪さをしているという文脈でばかり語られたり、「こんな時間にたむろするな」「家に帰りなさい」と警察や補導員に言われたりするたびに、「私たちにも事情があって、街に出ているのに」「本当は家にいたいのに」「家にいるより、公園に友達といたほうが安心安全なのに」と思っていました。
そうした少女たちに街やネットで声を掛けるのは、手を差しし伸べようとする大人ではなく、買春者や性産業へのあっせん者ばかり。夜の渋谷や新宿では、性的搾取を目的とした男性たちが100人以上街に出て、少女たちに声掛けをしています。ネットで「家出したい」と書き込めば、10分で20人以上の男性が「泊めてあげる」とコメントし、少女に性暴力をふるいます。その現状は、私が子どものころから、変わっていません。
 日本では、児童買春について「援助交際」という言葉で、大人から子どもへの援助であるかのように語られてきました。子どもへの性暴力について、そんな呼び万をする国は、他にあるでしょうか。そこにあるのは「援助」や「交際」と呼べる関係性ではなく、「支配」と「暴力」です。お金で誰かの体を買う、これは人権侵害です。それほどまでに追い詰められる少女たちには虐待や貧困などさまざまな背景があり、少女の性が商品化されるのも女性差別の社会的構造があるからです。これは、大人の問題です。
少女の性の商品化の[需要と供給]は「買いたい人と売りたい大人」で成り立ち、そこに孤立した少女たちが商品化されているのが現状です。しかし、日本では需要を生み出す加害者に目を向けることは少なく、子どもの非行問題として、子どもに責任を押し付ける扱いを多くの大人がしています。
少年院の出院者や、保護観察中の少女たちにも関わっています。その多くが、困ったときに、支援につながる前に危険に取り込まれ、性的搾取や性暴力の被害に遭っています。少女たちの中には、自分の困りごとに気づいていなかったり、共に状況を整理する大人がそばにいなかりたり、困ったときに「相談する」ということを思いつかなかったり、「逃げるな、甘えるな、お前のせいだ」などと言われて育ってきたことなどから「自分が悪い」と思い込んでいる人がいます。大人たちが彼女たちの声を聞き、彼女たちに責任を押し付けるのではなく、社会の問題として共に声をあげ、少女を性的に消費する社会を変えていかなければならないと考えています。
                          (仁藤夢乃・一般社団法人 Colabo 代表)

 私は犯罪や非行をした人たちの立ち直りを、地域で支えるボランティアをさせていただいてます。

 地域の事情等をよく理解しているという特性を活かし、保護観察官と協力して保護観察を受けた人の生活を見守り、様々な相談に乗ったり指導をするほか、犯罪予防活動も行います。

 目立たぬこつこつ地道な存在です。

 健康なおかげで勤務をしながらかれこれ19年目に入ります。

 定年終え、第二の人生勤務で思うことは人格識見の向上の大切さではないかとおもいます。

 最近モラルハラスメントにあい、今後のライフスタイルを思案しています。

 クリニックの先生いわく、「自分の全てを受けいれるには、長い時間がかかります。人はさまざまな失敗を繰り返してようやく(この自分でやっていくしかない)と思うようになるのです。クヨクヨすることが成長のもとになる。」とのことでした。

 微力ですが令和2年3月発足1年になる「十勝の活性化を考える会」皆さんと歩んでいければと考えています。

よろしくお願いいたします。

会員 C

 

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フランス文学

2019-12-29 05:00:00 | 投稿

  先日、十勝プラザでの市民大学講座(フランス文学)を聞いてきた。フランスは、広さが日本の約1.5倍、人口が約1/2倍、EU最大の農業国で「ヨーロッパのパン籠」と言われ、9年前に一度だけ旅行したことがある。

講師は翻訳家で100冊程度の本を翻訳しており、日本文学と比較しながら、以下のようなことを語っていた。

 

  • 日本の漫画本がブームであること
  • 革新的な国であること (フランス革命の影響だろう)
  • フランス文学と日本文学の違い
  • 色白のフランス人を思い描くが、多民族国家であること

 

私は日本文学とフランス文学の違いのことで、次の質問を行なった。三島由紀夫の「金閣寺」を読むと彼の自殺との関連性が分かるような気がするが、講師の方はどう思いますかと。

 

「三島由紀夫は感性が鋭く自殺のことを書いている本は、ほかにもたくさんあります。しかし、彼のような日本文学の作家は、他にいないと思います」と答えた。

彼は、東京都市ヶ谷にある陸上自衛隊駐屯地のバルコニーで、自衛隊員を前に演説を行なった後、辞世の句を残して割腹自殺した。

『日本を守るための健軍の本義に立ち返れという憲法改正の決起を促す演説であった。』

 

私はまだ10代であったが、その事件のことを鮮明に覚えている。その頃はまだ学生同士の内ゲバがあり、「浅間山荘事件」や赤軍派の“総括”という言葉が流行していた。

 

「十勝の活性化を考える会」会員

 

 

 

 

注)浅間山荘事件

浅間山荘(2009年

 

1972年2月19日(昭和49年)、日本の新左翼組織連合赤軍のメンバー5人が、管理人の(当時31歳)を人質に浅間山荘に立てこもった。

山荘を包囲した警視庁機動隊及び長野県警察機動隊が人質救出作戦を行うが難航し、死者3名(うち機動隊員2名、民間人1名)、重軽傷者27名(うち機動隊員26名、報道関係者1名)を出した。10日目の2月28日に部隊が強行突入し、人質を無事救出、犯人5名は全員逮捕された。人質は219時間監禁されており、警察が包囲する中での人質事件としては日本最長記録である。

酷寒の環境における警察と犯人との攻防、血まみれで搬送される隊員、鉄球での山荘破壊など衝撃的な経過がテレビ生中継され、注目を集めた。2月28日の総世帯視聴率は調査開始以来最高の数値を記録し、18時26分には民放日本放送協会(NHK)を合わせて視聴率89.7%に達した。同日のNHKの報道特別番組は、平均50.8%の視聴率を記録した。これは事件から45年以上が経過した現在でも、報道特別番組の視聴率日本記録である。

(出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)

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国家予算

2019-12-28 05:00:00 | 投稿

令和元年1220日、令和2年度の国家予算案103兆円が、閣議決定された。

内訳としては、国債の償還や金利支払い等である国債費が23兆円を占める。国債費以外の主なものを列挙すると、年金・医療費などの社会保障費36兆円、地方交付税交付金16兆円、国家公務員などの人件費を含む経費10兆円、公共事業費7兆円、文教費6兆円、防衛費5兆円となっている。

年間の国家予算は、国債を主とする債務残高1,000兆円超の10分の1である103兆円。つまり日本は、国家予算の10倍となる国債に依存している。債務残高におけるGDP比率は、日本が237%でトップ、米108%、仏97%、イギリス87%、独56%。

 また国債の格付も、先進国では低位である。少子高齢化の団塊世代が、後期高齢者に突入する2025年問題や国際情勢など難題が山積する中、次世代が担うであろう国債の負担を、日本全体で対処していかなければならない。

国は、国債残高を減らすことが出来るのだろうか・・・。

自国通貨を発行する政府は、財政赤字を心配しなくても良いとする「MMT理論」。

家計を含めた資産の範囲内での国債発行を、日銀引受で国家を維持が出来るのだろうか・・・。金利上昇時における国債費の負担増など、心配は尽きない。

国債借入のつけは、誰が払うのか。戦後まもなく、国債が紙くずになったこともある。

 一方、戦後の経済成長には様々な理由が考えられるが、大きな理由のひとつは人口増加による消費拡大だと思っている。だが、その人口が減り始めており、今世紀中に約半分である6千万人台を見込む予想もある。

 日本丸は沈没しないで、どのような目的地までたどり着くことが出来るのであろうか。

「政治屋」が多く「政治家」が少ない日本であるが、総力をあげて国難を乗り越えなければならないと思う。

 

「十勝の活性化を考える会」会員

 

 

注) 国家予算

内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない(日本国憲法第86条)。

 

政府活動による分類では、一般関係予算、特別関係予算、政府関係機関予算に分類される。

  • 一般会計予算

一般会計予算とは、国の基本的な公共サービスを供給するための一般の歳入歳出を経理する一般会計の予算をいう。

  • 特別会計予算

特別会計予算とは、財政法13条に基づき、国が特定の事業を行う場合、特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に設置される予算をいう。

  • 政府関係機関予算

政府関係機関予算とは、特別の法律によって設立された法人で、国の事業に近い事業を行うために、その予算について国会の議決が必要とされているものに関する予算をいう。

 

【成立時期による分類]

本予算(当初予算)とは、当該会計年度の開始前に成立する予算をいう。

 

暫定予算とは、本予算が当該会計年度の開始前に成立しない場合に必要な経費を手当てするための予算をいう。

 

補正予算とは、本予算の執行中に経済情勢の大きな変化や自然災害などが発生したために予算通りに執行することが望ましくないと判断されたときに本予算を変更して組まれる予算をいう。補正予算には予算額の追加変更を行う追加予算と予算内容の修正変更を行う修正予算がある。

 

 

注) MMT理論 (現代貨幣理論)

現代貨幣理論とは、経済に関する理論の一つ。日本ではMMT理論とも。
MMTとは「自国通貨を発行する政府は供給能力を上限に、貨幣供給をして需要を拡大することができる」とする理論である。このようにMMTは財政赤字の拡大を容認する。

政府は財政赤字を気にせず景気対策に専念すべきだとMMT論者は主張する。自国通貨建ての債務であれば、政府の財政的な制約はないため、赤字が増えても財政は破綻しない。自前の通貨を持つ国がいくら自国通貨建てで国債を発行しても債務不履行(デフォルト)には陥らない。論者の中には政府の負債(国の借金)が膨張しているのに財政破綻しない日本がMMT理論の正しさを示す見本だとの主張もある。  

(出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋

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連載:関寛斎翁 その13 古希の宴

2019-12-27 05:00:00 | 投稿

 

徳島での、関寛斎一家の集合写真です。
明治32年、正月4日
寛斎さん、70歳となり、家族一同が介して、古希の宴を行った時のことです。
寛斎さんの生涯で、一番落ち着いて 安定した、幸せな時期であった様子がうかがえます。

しかし少し気になるところがあります。
みなさま、晴れ着を着て記念写真を撮ろうとしたのでしょうが、普通、家族の記念写真では、中央に当主である寛斎夫妻が鎮座されるでありましょう。
しかし、中央には又一さんが幼児を抱えて座っており、主役の寛斎夫妻は後ろに立っております。
後方、右端には、生三さんが写っております。

寛斎さんの表情が少し冴えないような気もいたします。
こんなやり取りがあったのかもしれません。
なにか、些細なことで寛斎さんのへそが曲がっているようです。


又一、 はやくみんな集まって、記念写真撮りますよ
    父上、母上も早く真ん中にお座りください
寛斎、 わしゃあ写真なんぞ写らなくてよいぞ
又一、 そんなことおっしゃらずに、前へおいでください
    生三さんも出てきてくださいよ
寛斎、 ええから ええから  はよ 撮れ

と、言いつつ、自分の大事な 鼓をしっかりかかえております。
この鼓こそ、亡き蜂須賀斉昭から賜った、寛斎自慢のお宝だったのです。
一生肌身離さず、北海道トマムの山の中で、ポンポンと叩いておりました。
その遺品が、陸別町関寛斎資料館に、現在も保存されております。


 


実は寛斎さんの冴えない顔の訳は、ほかにありました。
寛斎さん自身が考えに考えた末、北海道行きの決意を固めていたのですが、なかなか妻のあいさんには、言い出せないでいたようです。
この日の夜、あいさんに自分と別れて、息子ところへ身を寄せてほしいと切り出しました。
しかし、わけを聞いたあいさんは、夫の決意を受け止め、「自分も一緒に、北海道へ着いてまいります。」と答え、二人で移住の準備が始まったと言われております。

「十勝の活性化を考える会」会員 K

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