日本には、いろいろな戦争があった。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、太平洋戦争などである。そして今は、コロナウイルスとの戦争である。コロナウイルスとの戦争は、当該関係者を除いて自分ごととして、あまり深刻に受け止めていないのではないだろうか。少なくとも自分は、そうである。
太平洋戦争が始まった時、お祭り騒ぎだった人もいたと聞いている。ただ、自分は生まれていなかったので、実態は分からない。過日、“空襲を語る会”で講師の話を聞いてきた。その方は、父親が満州から引き揚げてきた時、「国に騙された」と開口一番に言ったそうである。すなわち、国民は国(天皇と軍部)に騙されていたのである。戦争に勝つことを疑わなかったのである。実際、国家総動員法のもとで国民が一丸となって、“勝ってくるぞと勇ましく”と戦ったのである。
私は、新型コロナとの戦争も心配であるが、それよりも地球温暖化に伴う水不足などによる「食料戦争」を起きることを心配している。日本の食料自給率は、エネルギーベースで40%以下であるからだ。
このような食糧危機は社会不安につながり、世界中で暴動などを引き起こる可能性があるからだ。食料は人間が生きていく上で不可欠で、失業者や貧困層などの人々にとっての食糧問題は、見過ごせない問題となる。失業率が高い地域では不穏な動きにつながる可能性があり、政治家などに対する反発の高まりで暴動化する可能性もある。
また、今回の地球温暖化により影響を受けるのは、世界の国々である。なぜなら、世界各地での干ばつや洪水の被害により穀物生産量が減少しているからである。異常気象による災害も加わり、この食糧危機が社会不安を引き起こしつつあるのだ。中国ではすでに大量の季節労働者と農民に不満が生じて、食料品価格の高騰につながっている。
私が言いたいのは、世界の食料危機意識と日本人の危機意識の大きなずれである。日本人は、まだ食べることが出来るものを捨てているのである。食糧輸入国の日本は、先行きは極めて不安定な状況にあるのに、食料自給率の危機感を持っていない。なお、参考までに、世界の年平気温偏差のグラフを添付する。
「十勝の活性化を考える会」会員