BARBEE BOYS 『ダメージ』

　バブル景気の前夜の頃、日本でも、たたき上げのバンドがメジャーデビューできる時代となった。「いか天」なんて番組もあった。出てきても出てきても、飽和状態にならない。本当に数多くのバンドが出てきた。
　ただし、その後も続くかどうかは別、メジャーシーンでの「一発屋」が多かったのも事実。

　もともとはパンクバンド、ギター小僧の当時の私は、「いまみちともたか」のキラキラした、歯切れの良いギターサウンドに感心したものだ。世間一般的には、彼らのファッションスタイルなんかも、注目されていたけれども。
　先日紹介した、「福耳」の杏子さんがいたバンド。男女のダブルボーカル、といっても演歌ではない。後にも先にも、この演奏スタイルのバンドはいない強烈な個性のある音楽。
　当時は、後輩の編集したカセットテープと、レンタルから借りた「√５」だけが音源。
後輩の編集テープの最後の曲が「ダメージ」だった。
　傷つくことがとても怖くて、前にも後ろにも進めなかった若き日々、それこそ、幾度となく、眠れぬ夜に聞いた曲。

　数年前、高校生に彼らの曲を紹介したら、「歌詞が濃い」と。でも、今の人間関係が薄いだけなのではないかとも、思う。
　

トッド・ラングレン 『TORCH SONG』

　CD店のワゴンセールで見つけた１枚のオムニバス盤。「ハイウェイをぶっとばせ」が微妙なタイトル。５００円で以下の選曲というから凄い。

　1 SURRENDER チープ・トリック
　2 ANYTIME ジャーニー
　3 PIECE OF MIND ボストン
　4 I'LL SUPPLY THE LOVE TOTO
　5 WE ARE RHE CHAMPIONS クイーン
　6 JUST WHAT I NEEDED カーズ
　7 LONG TIME GONE 38スペシャル
　8 TORCH SONG トッド・ラングレン
　9 KEEP PUSHIN' REOスピードワゴン
10 SHOW ME THE WAY ピーター・フランプトン
11 SISTER MOONSHINE スパー・トランプ
12 YOU'RE ALL I AM フォリナー

　プラネットＰというユニットでしかその名を知らなかったトッド・ラングレンの『TORCH SONG』のなんと美しいことか。お薦めしたいアルバムだが、きっと手に入らないだろうなあ。

　一部をamazonで試聴できます。

Aqur Marin 『冬空のジュエル』

　数年間、獅子座流星群が話題になった時、高校生の観測プロジェクトが実施された。生徒も先生も手弁当。でも、その非日常の出来事に北海道のー５度を下回る星空のした、雪原にに寝袋が並んだ。観測データーをネット配信するグループは眠気の中でこの曲を聴き続けた。アクアマリンの『冬空のジュエル』は観測プロジェクトのテーマソングで、当時はフルコーラス１１２キロビットでストリーミング配信された。今となっては著作権等で考えられないこと。
　曲が風景を思い出させる。この曲はその曲である。知られていないが、同様にその前年、このプロジェクトが実施された時、プロジェクトに賛同し曲を「福耳」が提供した。後にシングルとして発売された「星のかけらを探しに行こう」であった。興業ベースを無視した太っ腹な出来事であった。もちろん関係各位の尽力があったに違いない。
　一つの星空で、全国の高校生が結びつき会えた瞬間。

　音楽は、何かの動きの中で意味を持つこともあるのかもしれない。

ラジオの響き

　風邪をひいて寝込んでいる時は、いつも枕元にラジオを置く。物心ついた時からの慣習。AMラジオは、乾いた、籠もった、ダイナミックレンジのほとんどない音。今日はノートPCで、吉田拓郎の曲を聴いている。申し訳程度のスピーカーからは、彼の『制服』という曲。こんな体調の時は、ハードロックは耐えられない。
　反射式ストーブの上にアルミをひいて、銀杏に火を通す。

　風邪をひいた時の生活は、ラジオの響き同様に時を経ても、あまりかわらない。