職場の休憩中にジャズの話題になったとき先輩職員が坂道のアポロンというアニメの文化祭演奏シーンを紹介してきた。そのついでにアニメのストーリーも熱く語ってくれた。1966年の頃、とある高校生のお話。そして十数年を経たその後のお話。(Wiki[坂道のアポロン])
このアニメで描写される風景は、わたしの少年時代のある風景をおもいださせ、記憶をぽつりぽつりと呼びだしてくる。ノスタルジーだ。
わたしの通っていた中学校は、オイルショックの頃、2つの中学校が統廃合してできた中学校だった。統廃合前のかつての中学校校舎は家から自転車で10分程の高台にあった。小学生の頃はまだ校舎が残っており絶好の遊び場。校庭の藤棚がが美しく、講堂の天井は高かった。西日の当たる校舎を探検したものだった。卒業アルバムなども残っていたため、戦後のベビーブーム時の賑わったその中学校校舎の生徒の様子などをみて子供心に中学校生活への思いをはせたものだった。
高校生になる頃、土地は競売にかけられ校舎は撤去、美しい藤棚を備えた校庭もブルトーザーで更地にされてしまった。そのときからわたしの記憶の中だけに断片が残っている。
中学生になり、部活動に没頭するようになる一方で、何かそれだけで過ごしたくない思いがあったのも子どもの頃のあこがれもあったのかもしれない。高校受験を間近に控えた頃、卒業を祝う会に例年はない3年生として出し物をするという作戦を実行した。生徒会担当の先生もまあいいんじゃないかと快諾してくれたことがなつかしい。児童館時代からの幼なじみの男女数名で、当時ヒットした「炎のランナー」も題材としたコメディーを披露した。そのメンバーは見事に全員ばらばらの高校に進学。その後再び揃うことは未だ実現していない。あるものは交通事故で若くしてこの世を去り、あるものは遠くの町へと嫁いでいった。そしてわたしもまた、郷里を遠く離れて今生きている。
としてらべな
忙しい日常に戻ればきっと奥へ追いやられる記憶をアニメをみながら思いだした。
"My Favorite Things"
"I simply remember my favorite things,
And then I don't feel so bad."
坂道のアポロン 第7話 文化祭演奏シーン ジャズ