特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

秘宝(中編)

2007-03-14 09:08:56 | Weblog
私は、女性が落ち着くのを静かに待った。
それから、作業内容と料金を再確認して、早速、作業にとりかかった。

作業と言っても、やるのは布団の梱包・ウジ&ハエの始末・簡単な消臭消毒のみ。
床に転がるウジ・ハエも少なく、悪臭もほとんどない状態は、私にとって朝飯前の軽作業。
テキパキと働いて、さっさと済ませた。

作業が終わってしばらくの間は、部屋に入れない。
薬剤の効かせるためと、薬剤の匂いを緩和させるために、しばらくの時間を置く必要があるのだ。

その時間を、私は女性と世間話をしながらつぶした。
「もう大丈夫です」(バッチリ!)
「ありがとうございます」
「少ししたら、部屋に入れますよ」(あとは待つだけ)
「よかったぁ・・・ホッとしました」
「私もです」(無事に済んでホッ)
「父は質素な暮らしをしてたようですから、金目のものはないと思いますけど・・・」
「まぁ、後でゆっくり見てみましょう」(たいした物はなさそうだけど)
「それにしても、大変なお仕事ですね」
「・・・よく言われます」(ホントによく言われる)
「長くやってるんですか?」
「ええ、○年目になります」(もうそんなになるんだな)
「ヘェ~!スゴイですね!」
「インパクトだけは、他の仕事に負けませんよ!アハハ」(インパクトあり過ぎ)



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