「今朝ほど、マンションの上から人が転落しまして・・・」
ある日の昼下がり、毎度のごとく会社の電話が鳴った。
私の頭には、男性の次の言葉を待たずして、“自殺”の文字が過ぎった。
「私?・・・私は、ですね・・・」
電話の男性は、管理組合の責任者。
自分の身分を明かし、この役割をやることになった事情を私に説明した。
「明け方、“ゴン!”って鈍い音が響いたんですよ」
故人の縁者ではないからだろう、男性は、淡々とした口調でその時のことを説明。
発生から発見に至るまでの経緯は私の知りたいところではなかったが、とりあえず、一方的に話す男性に合わせて相槌だけ打つことにした。
「遺体は警察が運んで行ったので、あとの掃除をお願いしたくて・・・」
うちが特掃屋だと知った上で連絡してきている男性は、現場の詳細説明を省略。
“詳しいことは現場に来ればわかりますよ”といった雰囲気を漂わせながら話を進めた。
「どのくらいで来ていただけます?」
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ある日の昼下がり、毎度のごとく会社の電話が鳴った。
私の頭には、男性の次の言葉を待たずして、“自殺”の文字が過ぎった。
「私?・・・私は、ですね・・・」
電話の男性は、管理組合の責任者。
自分の身分を明かし、この役割をやることになった事情を私に説明した。
「明け方、“ゴン!”って鈍い音が響いたんですよ」
故人の縁者ではないからだろう、男性は、淡々とした口調でその時のことを説明。
発生から発見に至るまでの経緯は私の知りたいところではなかったが、とりあえず、一方的に話す男性に合わせて相槌だけ打つことにした。
「遺体は警察が運んで行ったので、あとの掃除をお願いしたくて・・・」
うちが特掃屋だと知った上で連絡してきている男性は、現場の詳細説明を省略。
“詳しいことは現場に来ればわかりますよ”といった雰囲気を漂わせながら話を進めた。
「どのくらいで来ていただけます?」
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