特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

天居(公開コメント版)

2010-10-15 16:51:52 | Weblog
呼ばれて出向いたのは、狭い路地が交錯するエリア。
界隈の道路は、普通乗用車一台がやっと通れるほどの狭いものだった。
現場は、その中に埋もれるように建つ古い一軒家。
向かいの建物との距離も短く、両隣と同一の建物かと間違うくらいに隙間なく建てられていた。

パッと見は普通の一戸建。
「アパート」と聞いてやって来た私は、住所を間違えたものと錯覚した。
しかし、よく見ると、その建物には二階に向けて外階段が設置。
二階の一室を貸し部屋としているようだった。

故人の部屋は、その二階の一室。
階段を上がるまでもなく、私の鼻には嗅ぎなれた異臭が入ってきた。
一階が大家の住居。
私は、先にそちらを訪問した。

一階玄関も、かなり古い造り。
インターフォンはもちろん、呼鈴もなかった。
私は、とりあえず、戸をノック。
しかし、中から反応なかった。

私は、玄関前から大家宅に電話。
携帯から聞こえる発信音と屋内から聞こえる電話の受信音を重ねて聞きながら、誰かが電話にでるのを待った。
そして、待つこと数十秒。
少しすると、高齢を感じさせる女性が、電話にでた。

私が用件を伝えると、女性は、玄関の戸を開けるよう指示。
そして、そこから中に入るよう私を促した。
当初、玄関口で話しをするつもりだった私。
しかし、女性は足が悪いようで、結局、そのまま女性宅に上がり込むことになった。

二階からの異臭が下に降りているとみえて、濃度は高くないながらも、それは女性宅にも滞留。


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