特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

短気は損気(公開コメント版)

2013-11-18 08:49:33 | ゴミ屋敷 ゴミ部屋
「引越しをするのでゴミを片付けてほしい」
そんな依頼が入った。
「うちに頼んでくるわけだから、何か事情があるんだろうな・・・」
私はそう思いながら現地調査の日時を設定した。

訪問した現場は小さな一戸建。
家屋の周囲にはゴミやガラクタが散乱しており、家の中が“案の定”であることをうかがわせた。
私は、家の前の路上に車とめ、約束の時間がくるまで待機。
自分でいうのもおかしいが、変なところで几帳面な私は、約束の時刻ピッタリになったところで車を降り、玄関のチャイムを押した。

家の中からは、恥ずかしそうな物腰と気マズそうな表情をもって依頼者がでてきた。
そして、
「驚かないでくださいね」
「靴のままでかまいませんから」
と、外からの視線を避けるようにそそくさと私を家の中へと促した。

室内は、玄関土間からゴミ、ゴミ、そしてまたゴミ・・・
依頼者は、長年にわたって生活ゴミを蓄積。
本当の床なんてどこにも見えておらず、ゴミで埋め尽くされていた。
依頼者は、近々、引っ越す予定。
そのため、“このゴミを片付けたい”とのこと。
ただ、依頼者は“特殊清掃でなんとなる”と考えている様子。
私は、実現不可能な期待を持たせてはいけないので、ゴミの撤去と清掃だけでは原状回復はできないことを伝えた。
それを聞いた依頼者は動揺。
顔をこわばらせたまま黙り込んでしまった。
そうは言っても、このゴミを片付けないと何も始まらない。
私は、作業の内容とかかる費用を説明し、当方に作業を依頼するかどうか充分に検討するよう伝えた。

調査を終え外に出ると、私の車の脇に初老の女性が一人立っていた。
そして、私を見つけると恐い顔で睨みつけ、
「オタクが片付けんの!?」

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