特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

Going my way

2007-03-10 09:08:54 | Weblog
特掃をやる度に思う。
「こんなんやりたがる人間は、誰もいないだろうなぁ」

「一回くらいはやってみたい」
「一度ぐらいは経験してみたい」
と言う人はいるかもしれないけど、まぁ、それも知らないから言えること。
実際には、「やる」ところまでいかず「見てるだけ」で精一杯だろう。
最後まで見ていられたら、それでも大健闘だ。

「特掃って、誰もができるってもんじゃないぞ!」
と、自慢したいわけじゃないし、
「俺は、それだけスゴイんだぞ!」
と、威張りたいわけでもない。
特掃ごとき、高い位置から言えることじゃないことは、とっくに承知している。

ただ単に、
「特掃ってそういうもんなんだよ」
と言いたいだけ。
実際、そんな仕事なんだよね。

私は、好きなことをやって生きている人を羨まく思う。



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カウントダウン

2007-03-08 09:11:49 | Weblog
特掃作業は、どんな現場でも終了予定時間を決めて、残りの時間をそれに向かってカウントダウンさせながら作業を進めていく。

作業内容は、汚染箇所だけの処理から家財・生活用品の撤去、果ては内装工事までと様々である。
数は少ないけど、家屋の解体にまで至ることもある。

家電製品を撤去処分することも日常茶飯事。
最近は、家電リサイクル法や環境問題とかがあって、なかなか手間がかかるようになっている。

また、直接、腐敗液が着いていなくても、部屋の内側や中にあるもの全てに悪臭が付着していることがほとんど。
家電や家具など、あまり臭いを吸収しなさそうな物にも、腐敗臭はバッチリついているものなのだ。


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とりあえず

2007-03-06 08:34:34 | Weblog
歳を重ねたこの頃は、外で飲む回数もめっきり減ってきた。
自慢にもならないけど、若い頃は週に二回くらいは外で飲んで帰っていたものだ。

まぁ、「外で飲む」ったって、行きつけの立飲屋ばかりで、かなり安くあげていたんだけど。
余計な後先なんて考えず、決まって一杯目は、
「とりあえずビール!」
たしか、国産の中生ジョッキが350円だった。
ツマミもレンジでチン物がほとんどで、一品150円~350円。
どれも相応にうまかった。
顔は知ってても名前は知らない飲み仲間が何人かいたが、仕事の話はしないのが暗黙のルールで、気楽に酔えたものだった。


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冬の花(後編)

2007-03-04 10:23:07 | Weblog
最大の敵・真の敵は、人間の腐敗脂。
目の前の基礎コンクリート床には、2㎡ くらいの腐敗脂痕がクッキリ浮き出ていた。
本当に大変なのは、実はコレ!なのだ。

極端に腐乱現場を忌み嫌う依頼者は、絶対に現場を見に来るはずがない。
しかし、床の状態を見てもらう必要はある。
私は、依頼者に見せるためにその模様をデジカメに撮り、それから依頼者のオフィスに向かった。
過日と同じようなミスをしないよう、自分が「ウ○コ男」であることを意識して。

「外の空気が吸いたいから」
と言う理由で、今度は私の方から依頼者を外へ誘った。
依頼者は、どことなく安心した表情でイソイソと出て来た。
もちろん、今回も私が風下に立ったのは言うまでもない。

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冬の花(中編)

2007-03-02 08:52:16 | Weblog
死者に花を手向ける習慣は、いつ頃から始まったのだろう。
葬儀・墓・仏壇etc
交通事故死が少なくない今は、道端に花が供えられている光景を見るのも珍しいことではない。
自然と定着したのか、時の権力者が定めたのか、まるで決められたルールでもあるかのように、いつも花。

別に花が嫌いなわけじゃないけど、なんでいつも花なのか、意味もなく不思議に思う。
花には、死者を弔うための力があるのだろうか。
それとも、人の一生は花のそれと重なる何かがあるのだろうか。
だとすれば、自分の人生における花は何なのか知りたいところだ。

「マズイ状態じゃなきゃいいけど・・・」




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