先日お邪魔した「山本亭(東京葛飾区)」です。 アメリカの方々が日本庭園の中でこの庭を第3位に選んでいるので、もう一度見直し、その訳を考えてみたいと思います 。
奥が見えません。
第一印象は、どうにも無骨で雑な感じを受けます。
無骨さの原因の一つはこの飛び石にあるようです。随分厚さのある石を使っています。飛び石の打ち方(並べ方)も同じような大きさの石が並んで居ます。
このような高さの飛び石だとこの上を歩いた人は、時として足を滑らして捻挫などということも、80才以上の人は通行不可の表示が必要かも ・・・・
しかし、よくしたことでこの庭園は回遊庭園ではなく書院庭園です。歩いて楽しむ庭ではなく、書院(のお座敷)から眺めて楽しむ庭園なのです。 だから、眺めるだけの庭なので飛び石も高く作っているのです。
この庭は、いつ頃、どんな意図で作られたのでしょうか
「 昭和初期のお金持ちのお庭、庭面積は890M2(270坪)と決して広くは無い(我が家は建物の約50坪を含めて425坪)、視界の中に、庭のすべてが入るので、まことに気ぜわしい。よくこの面積にこれだけ詰め込んだものだ、と感心する。「外人向けの和食で、一番無難で好まれるのは、”幕の内弁当”」であるという。米国紙で評価が高いのも、こうした理由による「幕の内庭園」が受けているのかもしれない。」 ・・・・・ あるHPの記事
ところで、都内三大書院庭園なるものがあると建物内の掲示板に記されていましたが、山本亭の他、墨田区の旧安田邸と世田谷区の徳富邸だそう、亭の字と邸の字の差はどれ位なのでしょうか
素敵な敷石を見つけました。しかし、ちょっとうるさくて我が家には・・・・
この庭は書院庭園、眺めて楽しむなら何を眺めるのでしょうか。池や橋や鯉を、飛び石を、灯籠や奥にある滝などを眺めたいのなら木々が多過ぎます。
中央手前の3つの玉づくりのサツキがなかったら、青い石(北海道の十勝石かコタン石かな)も鯉もよく見えます。松は赤松なのでもっと枝を透かし、繊細な枝振りが見えるようにします。中央奥の松は幹模様(幹の様子)が全く見えません。松の木のボリュームは1/4程に減らし、最奥の滝がいくらかは見えるようにし、さわやかな風が通るようにした方が良いのではないでしょうか。 そうすると「奥からトトロが出て来るような感じにはならないのではないでしょうか。
アメリカの方々は「幕の内庭園」がお好きかもしれませんが、日本人の私にはやはり「懐石庭園」のが素晴らしいと思います。
よけいなお世話かもしれませんが、できたら山本亭の管理の方がこうした考えで庭に手を入れたら、日本3位から2位に上がるかもしれません・・・・・