走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

お久しぶりの友人

2006年07月24日 22時10分16秒 | その他
 今日、久しぶりに内子町の森本純一さんが尋ねてきてくれた。
友人といっても、私よりは年上なのですが、友人のように付き合ってくれています。
 森本さんとの出会いは10年以上もさかのぼります。
「非営利団体におけるマーケティング研究会」という自主研究会をつくっていた頃、最初に視察に行ったのが、その当時、完成まもない「内子フレッシュパークからり」でした。
その時に、丁寧に説明いただいたのが、森本さんなのです。
 「からり」は、森本さんが手がけたといっても過言ではありません。
何よりも驚かされたのは、森本さんの卓越した経営手腕でした。
当時、POSシステムに興味を持っていた(選挙入場券に全国で最初にバーコードを活用したのは松山市がおそらく最初であったと思うが、そのシステム開発に携わったこともあり、POSシステムに関心があったのです。)私は、そのシステムについて様々な質問をさせていただいた。
 本当に驚かされたのは、農家にディスプレイ付き電話を各農家に配布し、一時間おきに売上数と売上高を確認できるようにしてあったことです。
これにより、生産者は欲が出てくるしかけなのです。
事実、小遣い程度の売上でいいと考えていた生産農家は、売上高で欲が出てきて、さらに残り数も表示されるため、あわてて追加をからりに持って行くという現象が生まれたそうです。
そして、からりに生産農家が出向くことにより、直接、消費者の声を聞く機会が増えていき、消費者が何を求めているかということを聞くようになったのです。
本当に、よく考えられたビジネスモデルで、おそらく農業でITを活用した成功モデルの典型でしょう。
 それから、さまざまな講演会で御一緒させていただく機会が増え、愛媛大学の寄附講座の時には、森本さんに、双海の若松さんに私も加えさせていただき、まちの活性化というテーマで討議させてもらってから、親しくつき合わさせていただいているのです。
 そして、久しぶりにお会いした森本さんは、今も、アグレシブルに動き回っておられます。
今日お聞きした話では、農家と松山市の経済人に森本さんも加わり、3月に企業組合「内楽農(うちらーの)」の設立に参加されたとのこと。
 これは森本さんの仲間の農家が高齢化が進み、農産物を運べない農家が出てきたということと、県内で最も大きい消費地である松山市には、車で買い物に行けない高齢者がいるということが、動機になったとのこと。
 「内楽農」の目指すものは高齢者を中心に据えた農業の展開なのです。
週2回、内子町内の農家の庭先で集荷。
松山市木屋町1丁目の店舗に運んで販売しておられるとのこと。
駐車場もなく、歩いて通う高齢者が対象だそうだ。週2回買ってもらえれば、お年寄り夫婦の食卓はまかなえるとのこと。
 からりと内楽農が目指すものは、農家の自立で変わらない。しかし、出荷する側と購入する側の想定が全く違うから、補い合うとも考えておられる。
 「消費者のニーズは多様。ならば販売するシステムも多様であった方がいい」。だから、森本さんは両方に出荷する。
 本当に、森本さんらしい。