走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

雇用の創出・拡大について

2011年09月10日 19時01分37秒 | つぶやき
 雇用を創出・拡大するといっても、そう簡単ではない。
ただ難しく考える必要もないと思っている。

 間違っても行政が雇用を創出・拡大するための具体的なプログラムを作成したり、行動してはならない。
私たちができることは、雇用の創出・拡大のためのきっかけ作りしかできないという割り切りをすることから始めることである。

 例えば、過去にどの都市よりも先駆けて光ファイバー網の整備を仕掛けたことがある。
やり方は、通信キャリア(事業者)の整備支援のための制度を創設したことである。

 まず、キャリアに土俵に上がっていただくために「砂糖水」を準備した。
 一つ目は、国(総務省など)がインフラ整備をするときにはかなり厳しい足かせ(税金を投入するのだから当然といえば当然である)をするということがわかったので、ハードルを下げることにした。
 申請時の手続の簡素化、利用促進のための整備した施設の貸し借りの規制緩和である。
 そして、「競争の原理」を機能させるために、ヤル気のあるキャリアには公平に機会を与えることを意識した。
 また、相互乗り入れを仲介することで短時間で面整備を一気に広めることができた。

 その結果、整備後の利用者は急速に伸びた。
そして、家庭などと結ぶ「ワン・マイル工事」は今も続いている。

 大型家電量販店に押され、店を締めようと考えていた町の電気屋さんに通信工事の依頼が出始めたため息を吹き返し、息子に跡を継がせようとする経営者も増えてきた。

 これらに基づき、行政は何をしたかを整理すると次のようなものである。

 1.民間整備を誘発するための制度を創設した。
 2.民間投資を引き出すための呼び水となる資金を提供した。(経済効果は数百倍以上にはなっている)
 3.民間事業者に「競争」と「協調」を両立させる環境づくりを行った。

 これだけである。

 私たち行政は民間事業者のように徹底した利益追求をできるかというと、それは無理なのである。
ただ、市場を創るためのフィールドづくりは得意である。

 なのに、今の現状を見ているとたいそう無理をしていると思う。
例えば、雇用を生むために労働力が不足している第一次産業への労働力移転への発想は間違っていないと思うが、そののための人材育成プログラムを行政が直接仕掛けている。
しかし、この行動は、はっきり言って民間事業者の仕事である。
恐らく、雇用につながらないのは人材に必要とするスキルがないために、それを高めればつながるといった近視眼的発想に過ぎないと思う。
私たちがやらなければならないことは、労働力が他の産業に移転するためのきっかけ作りとなる制度をつくることである。
もっと俯瞰的にモノゴトを見る目を養わないと対処療法のまま終わってしまいそうな気がする...

 今一度、自分たちに何ができて、何をなさなければならないか冷静に考えれば、何かが見えてくるような気がする。