入院中のばあちゃんの所に
行くと、部屋の向かい側の
ナースステーションの中に、
いつも車いすのおじいさんが
います。
何でそんなところに患者さんがいるのか、
前から不思議に思ってたんですが、今日は
そのおじいさんに呼び止められ、
「すみません、ちょっとこの腕を引っ張って
立たせてくれませんか」
と頼まれました。
夕食の世話で忙しい時間帯なので、
看護婦さんが出払ってしまい、
おじいさんは、困っているようでした。
「まかせとけっ!」ってんで中に入り、
差し出された両手をしっかりつかんで
引っぱりましたが、意外と重くて動かない。
よーし、もう一回!ってところに、
血相を変えた看護婦さんが駆け込んで来て、
父ちゃんは、やんわり追い出されちゃった
んですが、
どうやら、おじいさんはボケていて、
立ち上がったらいけないのに
立ちたがるからナースステーション
に置いて見張ってたみたいですね。
そこへ、さらにボケたのが来て余計な事を
しでかした、と……。
お恥ずかしい。