今夜は仕事が終わるのが遅くなった.
深夜1:00にR23を愛車ホンダ ライフでゆっくり走る.
深夜のR23はさながらレース場.
私がゆっくり走っていることもあり,周りの車がやたらと早く感じる.
そこへ救急車がサイレンを鳴らして走って来た.
急いで抜いていってくれ.
でもなんだかゆっくりだ.
良く見ると,おそらく運ばれている人の家族が乗っているらしい車が救急車の後についていっている.
この光景は,死んだ母方の祖父を思い出させる.
近所のおじいさんが危篤になった時のこと.
救急車に祖父が車でついていった.
サイレンを鳴らす救急車は信号と関係なく走り去る.
「おじいさん,しっかりついて来て下さい!」
祖父は救急隊員にそう言われていたのでガンガン飛ばした.
でも祖父は同時にこうも言われていた.
「信号は守ってください」
救急車は赤信号でも先に行くのに,祖父の車は停まれと言われている.
ジレンマに陥った祖父は信号無視を決めた.
祖父が信号無視をすると,救急車は停車して祖父に注意したという.
それでも祖父は信号無視をしたらしい.
何度注意されたのだろう.
今夜の救急車も赤信号を突破していく.
救急車と追随する車を後ろから見守った.
あの車も信号無視をするのだろうか?
しかしその車は赤信号ではしっかり停まった.
救急車が赤信号を突破しても停まった.
救急車はどうするのだろうか?
よく見ると次の信号までのろのろ運転.
そして後ろの車と合流して,また走った.
そしてまた,救急車が赤信号を突破して,後ろの車が赤信号で停まり,救急車は超のろのろ運転.
救急車は明らかにジレンマを感じていた.
そう,祖父が感じたジレンマの裏返しのジレンマを.
あんなのろのろ運転するくらいなら,救急車も赤信号でしっかり停まるほうがいいんじゃないか?
いや,大学病院なんて間違えないから,後ろの車を放っておいて,早く患者を病院に運んだほうがいいんじゃないか?
いやそれよりも,家族の車にも簡易の回転灯をつけてやって,赤信号突破を許可してやってくれ.
15年前と何も変わらぬほころびだらけのルール.
ここはR23.
馬鹿共が救急車と後ろの車に突き刺さるのではないかと,ハラハラしながら見守った.
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