黄菖蒲の陽と戯るる水面かな
(きしょうぶのひとたわむるるみなもかな)
この花、黄菖蒲であっているでしょうか。そのつもりで詠みました。
初夏や勝負の色は黄と決めて
(はつなつやしょうぶのいろはきときめて)
ちょっと駄洒落も入れました。
5月1日から10日までのつぶやき句を、自選30句にまとめました。
黄金週間われ関せずの隠居かな 黄金週間黄金なき身ぞ何あらむ
やん衆や番屋の隅で鰊酒 うらぶれの石狩挽歌鰊小屋
鰊歌流れ番屋の古ラジオ 独活和えにもう一献と酌みにけり
独活和えや老いて渋みの増すあいつ 突然に来たるフィナーレ春暮る
フィナーレはフォルテッシモ暮の春 春暮るトランペットの高らかに
涙なき別れもあるさ暮の春 若楓峪の底なる露天風呂
若楓微笑むやうに老い来たる 若楓帽子の似合ふ老女かな
山峡を縫ふてトロッコ若楓 鞍馬寺の朱き伽藍や若楓
建前をかなぐり捨てて麦嵐 いい人の仮面を剥がし麦嵐
麦嵐老いて怒りの余力かな 患へる我が目や庭に目白来る
口ほどに物言ふ目元めじろかな 目白去る白内障のまた進み
原発の岬遙かに卯月波 あの日より三年ふた月卯月波
返り無き片瀬の恋や卯月波 卯月波ぐるつとまわしにやんこの目
卯月波大波小波で入りやんせ おしゃべりのヤンママ咲かす海芋かな
海芋咲く幼女気づけば女高生 海芋咲くセーラー服の清楚かな