夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

続即詠2行詩50篇

2007-04-20 | poetry
えー、残りの50篇を書きました。なんかいくつかのお題は苦労しましたね。するするできるやつはできるのに。まあ、そうは言っても全体としては大した時間はかかってませんが。

元から私の中にあるイメジェリでもなかなか詩にはできなかったものも短いだけにこの際って感じで出せました。イメージの棚卸しみたいな感じで、今後書いていくのにちょうどよかったような気がします。

正直言って「なんだ?この題は」っていうのもありましたが、それを逆手に取ったようなのもあります。……こう言うと推測がつくのもあるでしょうけどw。

じゃあ、前口上はこれくらいにして。


051 何度でも
生まれ変わる夢を見た
息苦しいほど醒めない夢を

052 24時間
長いはずの晩春の夕暮れがやってくる
あなたの腕のぬくもりがまだ残っているのに

053 偽物
鏡の中でいろんな表情をしてみる
あたしってよくできてるね

054 人形
あなたはあたしから痛みと快感を引き出そうとする
ひやっとするくらい楽しそうね

055 ぬばたまの夜
三日月が沈むと虫も鳴かない
手が伸びてきてじっとりと汗ばむ

056 願わくば
あたしを見てください
あたしの孤独を見てください

057 ねずみ色
今日はちょっと寒くて雨も降ってるから
このワンピが似合うんじゃないかって思ったの

058 残り少ない
時計をチラチラ見られると
よけいに気になっちゃう

059 バケツ
雑巾掛けなんてこの部屋に越して以来だね
場違いに青いバケツから水のにおいがするよ

060 箱
あなたがあたしを抱きかかえて、そっと入れる
青空が細くなって、ガムテープで止める音がする

061 橋
赤い橋、影一つ見えない午後
青い山、声一つない葬列

062 花火
空が明るく染まって、遠い音が聞こえる
恋が終わってしまった耳にさびしく響く

063 羽
息をのむほど美しい羽も
死んでしまうと地に帰る色になる

064 番狂わせ
まあ、そんな困ったような顔をするな
知らなかった俺が間抜けだったんだろう

065 反復
音楽とベッドにおいて繰り返しは
欠くことのできない要素である

066 ピアス
もう塞がってしまったのに気づいた
心もそうならいいんだけど

067 陽光(ひかり)のシャワー
笑っているつもりなのに涙があふれる
まるでお天気雨みたいなあたし

068 ひかりの庭
どうしてここに来てしまったの?
寒くて何もないところなのに

069 筆跡
男みたいな字だって自分でも思う
メールなら気にしなくていいのに

070 風鈴
なんかさ、風鈴の音を聞くと冷や麦食べたくならない?
食べ物のことばかり考えてるわけじゃないんだけど

071 分岐点
あなたの人生にはこれまでいくつ分岐点がありましたか?
あのさ、不安になるからそんなにマジメに考え込まないでよ

072 碧空
あの空をずっとずっと雲のもっと上に上って行くと
真っ暗になるんだよね

073 崩壊
この世界が始まる前に
一体いくつの宇宙があったんだろうね

074 星
あの星から見るとお陽様も
☆って感じなんだろうね

075 微笑
あたしはふだんは無愛想だから、笑えばかわいいのにって言われる。
ホントだよ。

076 本
本を読むようにあたしのページをめくる
今日はここまでって栞をはさむの?

077 守り手
あなたはとてもさみしがりや
寝顔を見てるとわかってしまう

078 マント
カーテンに体をくるんで飛び切りの視線
だから、後はカッコよく決めてね

079 湖
いくつも村が沈んでるんだね
囲炉裏や井戸や人の影も沈んでるのかな

080 ミュール
今日のテーマは春のミュールなの
だのになんで雨が降ったりするわけ?

081 無防備
それは違うでしょ?
言い訳くらい考えといてよ

082 眼
虫の眼は瞳がないから見られてる気がしない
今日のあなたの眼には心がない

083 命令
今日はなんでも言うことを聞いてあげる
そんな日もたまにはあるの

084 眼鏡
子どもっぽく見られるからだて眼鏡
かわいいなんて言わないで

085 戻れない
あの道を行くとどこに着くんだろう
確かめるすべもない子どもの頃の思い出

086 紅葉
桜は見上げて、光を通して見る
紅葉はうつむいて、吸い込まれた光を見る

087 靄
目の前を覆うのが霧で、遠い風景を覆うのが霞、
心を覆ってしまうのが靄。

088 焼き切れる
映画のフィルムが焼き切れる時に見える泡
沈んだままの記憶につながっている

089 約束ひとつ
約束破ってばかりでごめんね
守れるのはずっと好きだよってことだけかな

090 夢
ずっとこのままでいたい
とてもかなわない夢

091 妖精
だから6月のイギリスの森にいるの
あたしよりずっと小さくてかわいいの

092 淀み
緑色の水を透かして見ても
底にいるものの目は見えない

093 ラピスラズリ
フェルメールの青、閉じ込められた空
ヴァージナルを聴く少女、海からの風

094 リング
一人で飲むときはこれをしてるのと言う
冒険したいときははずすのとほほ笑みながら

095 輪廻
あれ?ちょっと寝ちゃったかな
まだそばにいてくれたんだね

096 ルール
恋愛にもルールがあるのかな
醒めかけてるからそう思うのかな

097 檸檬
病室のあなたはどこかさみしそうだったから
あたしの代わりに窓辺に檸檬をそっと置いたの

098 ローゼン
維納なる麗泉宮にて嫋嫋たる處女ぞ
憂ひ貌の騎士に蒼き薔薇を捧げぬ

099 忘れ物
忘れ物すると凹んじゃう
ましてや彼の部屋にケータイなんて

100 自由題(お好きな言葉でどうぞ)
あなたが愛してくれれば言葉は消える
それを夢見て言葉を綴る


  

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4 コメント

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ゆらさんへ (夢のもつれ)
2007-04-23 18:24:38
なんか書いてみたらそれほどでもなかったかなって感じです。。それだけに似ちゃってるのもそのままですし。

私も約束守ってくれる人がいいですけど、守ってくれなさそうな人が好きになったりするんですよね。……って、また詩のネタのようなw。
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ぽけっとさんへ (夢のもつれ)
2007-04-23 18:22:10
箱みたいな感じは実は好きなんですけど<ちょっとアブナイやつ?w

ねずみ色よかったですか?……いやあ、いろいろ書いてみるもんですね。
自由題は本人も気に入っています。
返信する
100個も (ゆら★)
2007-04-22 12:54:31
お疲れ様でした。



約束ひとつが染みました。

それなら、何回破られても許すのになぁ~なんて…笑
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絶好調ですね (ぽけっと)
2007-04-21 21:50:15
靄:なるほどです
箱:ちょっとこわい
ねずみ色:作者が男性とは思えないですね、これ後半大賞自由題次点w

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