夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

題詠:アンティーク・ショップ

2006-04-03 | poetry


   アンティーク・ショップ

ひんやりした空気があたしを包む
目が慣れるのに少し時間がかかる
猫脚のチェストとおじいさんの時計が
見つめてきた日々を語り始める
あたしの知らないなつかしい人たちを

精密な花のリトグラフが
虫取り網を持った金髪の男の子を呼び寄せる
行儀よく並んだ彫金の星座たちが
席を乱し始める
ビスクドールの水色の目は
思慮深げにあたしを見つめる

咳払いが聞こえ
振り向くとあたしは店の外にいる
もう夕闇が迫っていて
教会の鐘が聞こえる
切通しのような街並みが左右に傾いている




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