夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

リアルface book

2012-04-26 | diary
今朝は雨が降っていたから余計電車が混んで、しかも濡れた傘が人に当たらないか気になってしまう。
だというのに、気を遣わない人間というのは多いもので、後から座って来たくせに体をゆすって自分のスペースを確保したり、しきりに腕を動かしたりする。
そういう人に限ってメタボ体型で、倍の運賃を払ったらどうだ?という感じ。
男女を問わず、自分の生活習慣も気を遣わないのだろう。

地下鉄から地上に出る階段も混んでいた。
ところが、傘を前に突き出して下りてくるのがいる。
槍を抱えて一人で大軍勢に突進する、悲愴な覚悟なのかもしれない。
ぶつかりそうになったから、身をかわして隣の人に体が触れてしまったぼくが謝る羽目になった。

職場に着いて、エレベーターを待つけれど、なかなか来ない。
でも、みんなお行儀よく待っている。
乗る時も譲り合って、下りる時も開ボタンを押して「どうぞ」と会釈する。
こっちが顔も名前も覚えてもいないのに「おはようございます」とあいさつする人もいる。

地下鉄の乗客に無作法な人間が多く、うちの職場にマナーを心得てる人間が多いということじゃないだろう。
地下鉄の乗客も会社に行けばおとなしかったりするだろうし、同僚たちも通勤時にはどんな振る舞いをしているか知れたものではない。
つまり都市は「匿名」だが、職場は「ムラ」だということだ。

それで思ったのが、がさがさ動くメタボおやじには、
「おや、YM商事のA課長じゃないですか。その後、ダイエットの効果はありました?」とか、
傘で突進する足軽くんに対しては、
「TWファイナンスのBくん! 君の会社、いよいよ危ないのか?」とか言ってやればびっくりして、効果覿面だろうということ。
周りの人間の名前、年齢、住所、職業、趣味といったプロフがマンガの吹き出しのように出てればすごく便利だろう。

読心術なんてほしくもない。
自分の考えていることを顧みても、ほとんどの時間はくだらないことしか考えていないからだ。
仕事上の会話をしていても、
「あんたの言いたいことは、もうわかったよ。話が相変わらずくどいな」とか、
「ん?なんか臭うな。こいつの足が臭いのか」とか、くだらないこと、なまじ相手が知ったら凹むようなことばかり考えている。
他人の心がわかったら自殺率が増すだけだろう。

ぼくは幸い仕事上フェイスブックをやる必要がない。
だから、やらない、やるわけがない。
登録すると昔の知り合いやらなんやらがわらわら出てくるらしい。
夢なら覚めてほしいようなものだ。
友人でやっているという話を聞いて、「あいつは何を考えてるんだ!」と天を仰いだ。
匿名のブログだからこそ勝手なことが書けるのに実名じゃ何も書けない、書く気がしない。

テレビで就活生のフェイスブックを採用担当者がチェックして、
「友だちが200以上いますね」とか、
「サークルでリーダーシップ発揮してますよ」なんて会話をしてるのを見てぞっとした。
これじゃあ、若者に元気がなくなるわけだ。
この記事で、能天気なアメリカでもフェイスブック疲れが出てきてると知って、やっぱりねと思った。

話を戻そう。
フェイスブックみたいなのがリアルに見えるとおもしろい。
そんな超能力はもちろん自分だけw
これこそが匿名の都市を生きていく上で最強の武器ではないか。
相手の素性が知れていれば些細ないざこざで喧嘩になって、ホームから転落するなんてこともなく、電車の中で立ったまま化粧をしてる女(実際に見たことがある)にも、
「そうか。求職中で生活が荒れてるんだな」とおおらかな気持ちになれるだろう。
服が透けて見えるとか女風呂が見えるって男の夢らしいけど、そんなのは半日で飽きる。
見えない顔をちら見した方がよっぽどおもしろい。

田舎はかなりそういう世界だそうで、お互いがお互いのことを実によく知っているらしい。
おばちゃんやおっちゃんは、若い子のことを生まれた時から知っている。
何十年も前に仕出かしたことも昨日のことのように言われる。
だから、いくら町おこしをやっても若者は東京に出て行きたくなる。
地元に残っている若者は馴致されたのか、のっぺりとした笑みを浮かべている。

そういう人はインターネットに逃げているのかもしれない。
都市とネットはよく似ている。
匿名性が確保されている2ちゃんなんかでは無作法。
反面、フェイスブックは気色悪いくらいマナーがいいはずだ。
いや、その存在自体が気色悪い。
全体主義やカルト宗教はプライバシーや内面の自由を否定する。
それとどこか似たにおいがするんじゃないか?


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