夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

小さき発電所

2012-08-18 | diary
岡部6:31、神保原・新町間に空川ありて、白鷺の群れ集うを見しほどに群馬に入るや。
6:50倉賀野とは暗き野と解さるれば不吉なる連想起きぬ。
吾人の怪奇を好むに非ず、地霊の働きによればなり。
6:55高崎に着き、ホームにて喫煙せしが、15分の待ち合わせあると気づきて、駅の外に出ず。
建物にぎやかにして人少なし。





見慣れし地方都市をばカメラに収め、7:10発水上行きに乗れば同様に混めるなり。
上越国境が山に登らんとする人多しと見ゆ。
吾人は終始アイフォンのシャッフルにてクラシックを聞けり。
今はドミニコ・スカルラッティをばミヒャエル・プレトニエフが弾けるものなり。



時折耳に残りし演奏のみ書き留めん。
車窓を流れ行きし風景が如くして殊更に感想・批評などを加える暇なければなり。
渋川7:34、伊香保温泉が入り口ならん。
次第に山あいに入りぬ。
津久田7:44、渓谷ありて趣深し。
吾人隠棲の想い常にあり、東北がよかれと思えども雪は苦痛に感ぜざるを得ざるをもって冬にこそ旅すべきや。
ふと留守居を託せし三毛猫の如何に過ごさんと心にかかりき。
7:50岩本にて小さき発電所を見つけり。
揚水発電なめり。



客年、いわき・郡山間の磐越東線の車窓よりあまたの発電所を見つけ楽しめるも何故かくも心惹かるるや訝しく思いぬ。

トンネルを抜けるれば町の見ゆるれば7:55沼田なり。
8:00後閑、音も表記も珍しくもおもしろし。小さき集落なれば目新しくもなきことは云うべくもあらず。
水上に着到せし前より立ち上がり、停車するや直ちに手動ドアがボタンを連打し、我がちに陸橋を駆け上がる者多し。
されど長岡行きは混み合いもせず、ホームにて喫煙の時間も十分あり。
初めて窓側の座席を占めん。
進行方向に座りしが反対方向の方を好めり。風景が目に飛び込まざるが故なり。
湯檜曽はトンネル中の駅にして次なる土合もさなめり。
かつて谷川岳に登りし折、地上までの長々しきに閉口す。
路線図をアプリにて見るにループせしも気づかず。
土合8:33、標高583メートルなりや。
3時間半にして上越国境に至りしとは普通列車なれども川端康成が時代よりおそらく早し。
トンネル内の湿気によるか窓曇りて地上の駅に停まれど見えず。
越後中里8:49、駅前よりスキー場なり。
陽強けれど直ちに山陰に入りぬ。
越後湯沢8:58、六日町9:23、葱坊主の断面が如き建物散見せり。
積雪を避けんがためのものならん。
9:28五日町、市場の開かるるが町名の由来か。
いつの頃なるや遊び心にて名付けし領主おりぬべし。
月の朔日は一日町、2日は二日町…かくの如く巡察せしとかや。
ただし、町は28もなかりしに11日ならば五日町と六日町を訪れん。
されば1日に3つまでの町を経巡らんとするに如何なる数の町や必要ならん。

南魚沼に入りぬ。八色9:33、9:43小出なる川沿いの駅に着きしに只見線への分岐あり。
次第に混みぬれば座席に置きしバッグを膝に載せりたり。
モンポウが自作自演のピアノ曲を聴けり。



何ということもなけれど心地よし。
我の強き個性のなきがためならん。


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