銀河のサンマ

何でもあり

帰りのイルミネーション

2021-12-13 | 詩っぽい(冬)

 

 

 

 

暗い夜が早くおとずれたがる冬の病院の待合室は寒く冷たい

白い天井

白い床

足下から続く長く白い廊下

暗くなってゆく外は院内の白さをより浮きたたせ寒く冷たく不安になってくる

待時間は長くひとりぽつんと落ちつかずウロウロするも履いたスリッパの音が院内に響く

院内は冷たい表情をした白い冷蔵庫の庫内に閉じ込められているようで早くでたい

クリスマス飾りもしてあるが、それが角のないヘラジカなのか犬なのか羊なのかわからない

うーん…と考えこんでしまっていたら名前が呼ばれ、事は気紛らわしになった

検査時間は長かったが終えると弱気の強気になり来年迄さらばだ、と逃げるように病院をさる

海を渡るころ肩の強張りがとれはじめホッとしてくる

イルミネーションをみて帰ろうと橋のしたで停車

自分の口角がうんと上がっているのがわかる

イルミネーションの光を眩しくも近くでまじまじとみつめる

風は冷たいのに温かい

私はやっと庫内から完全に脱出したとわかったようだ

 

 

 

 

 

 

ホッとしてくる橋のうえを渡るころ。

 

 

 

レンズ汚れが逆にボンヤリと撮れて良かった(笑)

※ 土曜日のできごと

 

 

 

 

 

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冬木立

2020-12-19 | 詩っぽい(冬)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車のエアコンの利き悪く足冷たし。

何と寒い日よ、早く帰りつきたい。

冷たい空気で遠くみえる今日の月がより美しい

「綺麗だよ」と言い訳がましく呟き

もうひと走りだ、と気持ち切りかえ音楽のボリュームあげる

 

 

 

 

 

 

 

※ 到着し車から降りると、月と星と空のグラデーションが美しく眺めました。

  寒さの言い訳の、綺麗だよ、でなく本当に綺麗でした。

  近所の子が階段から、月と星がすっごく綺麗ですよねっ。と声をかけられ

  あの星なんだろう?と調べ、薄い月と土星と木星?とわかり一緒に眺めました。

  部屋へ戻り、窓から見えなくなる迄、何度も眺めました。

  2020.12.17

  

 

 

 

 

 

 

 

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蜜柑

2020-12-08 | 詩っぽい(冬)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きて子供達のご飯の用意をしながら毛を撫でてみる。

鍋に火をかけ包丁を持ち、朝食をつくる。

昨晩の残り湯でシャツの襟、カフスを手洗いし、洗濯機へ入れる。

乾いたブラウスとハンカチにアイロンをかける。

破れていたセーターの穴に気づき針箱をひっぱりだし繕う。

私の指が今日も操られた生き物のように途切れなく動く。

実家から離れ、指は20数年で3号ほど太くなった。

これは母の指輪のサイズを参考に測定している。

未熟者の手でも、それなりに皺皺なのだよ。「年季」といったら烏滸がましいだろうか。

なーんて、その手で剥いた蜜柑をポイッと口へ放り込む。

 

 

 

 

 

※ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

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立冬

2020-11-07 | 詩っぽい(冬)

 

 

 

 

 

 

黒紅の雲の魔法がほわほわっと現れ

日暮れの藍鼠の空を巻き込んでゆく

山の麓の街灯りも消し去るかしら

黒紅の魔法で私の闇を封じれるかな

止まっていた洗濯物をとりこむ手に

冬が来ただけだよ、と

黒紅の魔法が素っ気なく呟き、あっけなく夜にした

そっか立冬か、私は窓をピシャンと閉める

 

 

 

 

 

※ 2020.11.6 18時過ぎ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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白菜は季節を駆ける

2020-01-23 | 詩っぽい(冬)

 

 

 

白菜に包丁を入れる

甘さの無い青梅の香ひろがる

白菜とは思うはずなく辺りを嗅いだ

もう一度包丁を入れるとそれは白菜だった

手はとどまり頭は瞬く間に季節を駆け

大寒から青梅の時期を迎え

着ぶくれた上着思わず一枚脱いだ

 

 

 

  ※白菜と蓮根と揚げ煮。

 

 

 

 

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