昨日までの温さは一変、31日は毎年寒い。
人参を桜の形にするが、母の様に上手くはない。
何故桜の形に切るのか？と尋ねたことがあるが、真顔で、切り込みを入れながら桜でないと駄目と母は言った。
だから私もずっと同じようにしている。
黒豆は母より短時間で済むよう、何時からか工夫を凝らし始めた。
去年より種類が少ないが、忙しい中でも一品一品丁寧にすることが心地よい。
筑豊出身なので鰤に鰹節の濃い御雑煮。
明日の準備万端のつもりで今日は終わり。
今年は発作がよくでて心身ともに萎えてたことが多かった。
昨年の珊瑚に続き、今年はピコピコが亡くなって母として胸から肩迄が捥げるくらい悲しかった。
でも御節の準備を始める為、台所へ立つと気持ちは自然と奮い立ち全てが一掃される。
一掃されたという事は今年は全体に幸せだった、としておこう。
今年が終わる、いや今日一日終わるだけで、また明日が来る。
駐車場の草刈で雑草を切り、カーネーションを入れて正月用花。
今年は本当に温かったのだと感じたのは草の裏には天道虫とアブラムシさんが引っ付いてました。
それは残しておきました(笑)
この人が〆縄をつくってる。
私は最近ここへ来たので去年つくったことを知らない。
くぅ、だの、キュッとね、と手を赤くして縄を編あげておるようです。
最後は歯まで使っておりますが、些か顔が険しく目が当てられません。
よっし！去年より丸く綺麗にできたでしょーと誰かに尋ねておりますが誰もおりません。
あ、私に尋ねたのではと？ 違います、違います。目線は私の遥か彼方でした。
私は合掌兎ですので目を開けるのは僅かな時間だけ、ほぼ目を閉じ祈りの格好で立っておるだけでございます。
出来上がるようです、あっ蜜柑をぐっざりグリグリ楊枝にさし荒々しい。
来る年この人が幸せでありますように、と私は合掌してあげません(笑)
雑に簡素に出来上がったようです、見てあげてくださいませ。
合掌兎がお届けしました（合掌）
因みにこれが去年の〆縄だそうです。
縄目が未だ未だ未熟です。
12月に入って2日で縫ってやるっ！と意気込んでいた母の刺子布巾は25日かかった。
母は風邪をよくひいた。
風邪ひいては私にうつす。
母風邪と猫風邪は違うけど母は私に風邪をうつしたの。
心っから冷え込んだ風邪をうつしたの。
でも刺しながら更に冷えこんだ思い出をもらしてた。
「ふんふん、私は下手な長糸よ」
母は学校で下手な長糸と呼ばれたらしい。
布巾では拭いきれない思い出と笑った。
更に冷えたオヤジギャグ？
ともあれ25日かかった刺子に満足し、私の顔をつついている。
私は猫風邪もひけば機嫌も損ねる。
はっ！Christmas！！母は慌てて何食べる？！と聞いてくる。
私の目は只々すわったまま。
※下手な長糸・・・下手な裁縫をする人程、糸が長いとか。
下手なのに糸を長くし絡みやすいらしい。
我家に残る2匹はベッタリくっつかない。
2匹はそういう性格でなく生活になれていなかったから。
ただ母である私も今のベタつかない生活になれていない。
母の欲求がたまらなく可愛い丸めた体に顔をうずめたい。
煙たがられ可愛い顔を崩すことになるから眺めるだけだけど。
うずめたい。
いや甘えたいのだ。
私は母であるけれど子供の様に子供に甘えていたのだと最近よくわかった。
夜ベッドでブナシメジを眺めてから何時の間にか記憶がないので私は安心して眠ったと思う。
