銀河のサンマ

何でもあり

知らない

2019-11-17 | ものかたり

 

 

母は知らない

私の俯く顔を見つめすぎていることを

母は知らない

瞳を閉じそうで閉じない私を眺めすぎていることを

母は知らない

寝そうで寝ない私が気になりすぎていることを

母は知らない

本当は私は眠ろうとしていないことを

母は知らない

実は私が母を眠られせてあげていることを

母は知らない

母は私を眺めすぎて草臥れ目を閉じてゆくことを

母は知らない

母が眠ったのを確認し私はそっと離れ寝床についていることを

母は鈍いがやっと知ってしまった

私が母の睡眠誘発剤だということを

だから書きとめているようだが心で認めていないらしい

 

 

 

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