月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

進級之時

2012年04月09日 20時27分32秒 | 仏々相念(住職日記)

新たな扉が・・・

 

今日は高校でも入学式が執り行われたそうです。

それぞれがそれぞれに門を潜りながら何を思ったのでしょう。

「お~!とうとう来たぜ~」

「これからもガンバろう!」

「こんな筈じゃなかったのに・・・」

いろんなことを思ったでしょう・・・

爽やかに最高な学生生活にして欲しいですね。

 

私の場合、不安ばかり抱えていたように思います。

「よっしゃ!やったるで~!」なんて思ったこともありません。

これからどうなるんだろう・・・

どう進めていったらいいんだろう・・・

どうしよう・・・どうしよう・・・どうしよう・・・

そんなスタートばっかりでした。

勿論、そんな日常は変わることなく「どうしよう・・・」で暮れていくのですが・・・

面白い訳がありません。

 

幾つもの扉を開けてきました、これでも・・・

でも、自分で開けたいと思い空けた扉は無く、親に言われるがままに・・・

私の人生でありながら人の人生を歩んでるような気もします。

これは弱き男の逃げ口上なのでしょうか・・・

 

自分の子どもたちにはこんな思いはさせたくありません。

自分の好きな道、「よっしゃ~!」って感じで歩んでほしいのです。

苦しいんだろうけど・・・でも、一人にはしないから、オレ、ず~っと支えるから!

 

今日、歯の検診に行って来ました。

「変わった症状はありませんか?」って尋ねられるので、

「これといって変わりありません」

「分かりました、調べていきますね!」

右上奥歯で先生の動きが止まります。

その瞬間、「あっ、そうやった!この辺り少し疼いたことがあったよな~」って思い出します。

「少し欠けていますね、レントゲン取らせて下さい」

結果、見事に虫歯になっていました。

それに連なりもう一つ手前の歯も・・・

「この際、お願いします」

 

被せていたモノはかなり以前のモノらしく接着剤もかなり雑だったとか・・・

神経までは抜かなくてもよかったようで、念入りに処置をして下さったことです。

私は、歯の治療というより長く口を開けていると直ぐにエヅクのでそれが辛いのです。

涙が出ます・・・

そんな時にやっぱり先生は分かって下さるんでしょうね、「あと、一分半程ですからね~、ガンバってくださいね~」

こんなに言っていただけると、「あと、一分半か!」って思いますもんね。

分かって下さるということは有難いことです。

でも、やっぱり身体ガチガチにして身構えているんですから・・・

 

そうこうしていると次の患者さんが隣の椅子に座ります。

どうやら一才くらいの子どもさんだと思われるのですが、私も自分のことで精一杯で隣りの子がどんな子だか知る由もありません。

「はい、うがいしてくださ~い」

口の中の違和感を少しでも無くしたいと軽快に水を口に含むも右上は麻酔がかかっており感覚がありません。

「ぴゅーっ」って飛び出るのを防ぎつつひと時の休息を得ます。

 

横ではその子が大泣きしています。

あ~、怖いんだろうな~

でも、私が小さな頃は本当に痛かった!

今、身体ガチガチにするのはその時の痛さを身体が覚えているからなのでしょうか・・・

今の技術は進歩しているんでしょうね、痛みなんて全くないのですから・・・

先生も看護師さんも優しく説明しつつ励ましてくれながら進めて下さる。

これがまた、有難い!

「よ~し、終わったぞ!偉かったね、ガチャガチャして帰るか?」って声にもう怖さもすっかり消え失せて駆けて行きます。

 

どのようなことでも新たに扉を開けるのは不安が付きまといます。

そんな時に寄り添ってくれるようなはたらきがあると歩めるような気がします。

 

「しんどかったね、お疲れさん・・・はよ、お休みよ!」