月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

心労之姿

2013年03月16日 20時07分39秒 | 仏々相念(住職日記)

もう帰るよ・・・

 

夕方、坊守がお世話になった母の車を洗車していました。

丁度その頃、相棒を連れられたYさんが通られます。

洗車しているコイツが分かるといつも声をかけてくださり話して帰られます。

 

その相棒・・・

高齢のシーズー犬。

これが可愛いのです。

人懐こく吠えません。

だから村中の人から声をかけられる人気者。

 

昨日のお座の時、Yさんがおっしゃるのです、

「もう私と同じなんです。目が悪い、耳が悪い、歯が悪い・・・」

とてもいいコンビです。

 

トコトコトコトコ・・・

そんな音がしそうな足取り。

大体はリールもせず放されていますので先頭さんでYさんを従えます。

がしかし、目も見え難くなっているためにYさんを見失います。

全然逆方向に行くことなんてざらです。

立ち止まりYさんをキョロキョロして探してます。

「もう分からなくなり私を探してるんです・・・A!ここよ!こっちよ!」

大きな声で呼ぶYさん。

機嫌のいい時はすぐに振り返りYさんの方に駆け寄りますが、

最近はそのまま逆方向に駆けていることの方が多いように思います。

今日もそんな感じです、「いや帰らん!」って・・・

逆らっているかんじ・・・

「最近、わがままになってしまって・・・」

その姿がまた愛くるしいのです。

 

トコトコトコトコ・・・

 

「だめよ!もう帰るよ!」

Yさんも動きにくくなっておられるのでボツボツ追いかけます。

そう言われ次見る姿はリールを繋がれトボトボ歩く姿。

あ~、帰りたくないんだって失礼ながら笑ってしまうような・・・

そんな光景。

 

トボトボトボ・・・

 

話好きのYさんは、Aに話しかけます。

いろんなことを話しかけます。

笑ったり、泣いたり、怒ったり・・・

ず~っと一緒。

だから、考えてしまうのです・・・お互いの「死」

 

体が弱くなった相棒を見つめながら自分を見るのかもしれません。

急速に弱る身体・・・

元気だったころの姿・・・

 

励まし合いながら・・・

支え合いながら・・・

お互い生かされている。

今・・・生かさせていただいている。

 

気を遣い神経を張り巡らせているような方に出会います。

「あ~、しんどかろ~に・・・」

でも、これが終わるとちょっとだけでもホッとできるかな~なんて思ったりもします。

一人で抱え込まないように・・・

 

願生りましょう!