月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

家庭之力

2013年03月22日 19時41分49秒 | 仏々相念(住職日記)

お家(うち)におる・・・

 

先日、南海大地震等の被害予測が公表されていました。

すごいことになりそうです。

新聞見ながら、娘と「すごいね」って話しました。

「起きたら起きた時よ!」って言ったものの・・・

怖いです、正直。

 

何が怖いのか・・・

 

自分の命が亡くなるのか・・・

痛い思いをするのか・・・

大切な人を失うのか・・・

大切な人が苦しむ姿を見るのか・・・

財産を失くすことか・・・

飲み食いができなくなるのか・・・

何もかも失いどうなるのか・・・

生きていけるのか・・・

何れも何れも辛いことです。

 

でも、これ・・・

震災でなくても起きることですもんね。

必ず・・・

 

夕方、いつものように本堂のお荘厳をさせていただきます。

最近はカセットに録音されている法話をお聴聞しつつ。

いろんな方々のカセットがあるのですが、如何せんラベル書きをしていません。

これ誰のかな~・・・

なんて聞き始めます。

 

今日聞かせていただいたのは、坊守のお父さんの法話でした。

義父の法話カセットは全部坊守に渡したように思っていたのですが・・・

「おぅ・・・まだあったんか~。懐かしいな~・・・」

話の内容は勿論、声・話し方・笑い方・咳払い・間の取り方・・・懐かしいものです。

録音されている声の向こうには幼きウチの2人の子どもの楽しそうな声もします。

只今、布教真っ最中の坊守に届けたくなるような思いでした。

「一本、出てきたよ~」って・・・

喜ぶのにな~・・・って独り言。

 

コイツの少年時代にあった「日本沈没」っていうテレビドラマ。

コイツは見たことがなかったのですが、

坊守の里では当時皆で見ていたとか・・・

 

強烈な内容だったのでしょう・・・

幼き坊守は姉に言ったのだそうだ、「お姉ちゃん、日本が沈没したらどうする?」

「どうするって言ったって沈没せんところに逃げるだろ~。お前はどうするの?」

「逃げるって言ってもどこも沈没するんだろ…だったらお家におる」

 

義父曰く、それは家のお家ではなく皆が一緒におるという家庭のことなのでしょう・・・

 

「お家におる・・・」

いい響きだな~って自分でつぶやいてみました。

そう言わしめる温もりがそこにはあるのでしょう。

無条件で抱きしめてくれる温もりが・・・

怖いけど、震えるけど・・・

その温もりが大丈夫だと気付かせてくれる。

 

依り所を胸におくってそういうことなのでしょう。

 

真実の親である阿弥陀さま・・・

あったか~い、ほとけさま。

 

いつでもどこでも、ぎゅ~って抱きしめてくださっていました。

あなたと共に歩まさせていただきます。

安心して苦しき人生を・・・

 

願生ろう。