月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

子之返事

2013年05月22日 21時20分20秒 | 仏々相念(住職日記)

ハイ、ナンマンダブ・・・

 

耳が遠くなったお爺ちゃんがお参りされていました。

隣には奥様が座られ通訳なされます。

「おじさん、幾つになられたんですか?」

我感ぜずに座られるご主人・・・

「83になります」って奥様が返事下さいます。

「あ~、もうそんなになられるんですね・・・」って、おいしいお茶をズズズズズ。

 

間々のお休みの間にお経さんの確認。

「次の御経は何ページ?」

「ここですよ、43ページ」

ありがたいです、一緒に御経さん開けてくださって。

 

このお爺ちゃんのお念仏、

「ハイ、ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・」ってよろこばれます。

「ハイ」がつくのです。

リンが鳴っても・・・

お勤めの間でも・・・

皆さん一緒の時でも・・・

「ハイ、ナンマンダブ・・・」

 

念仏は親の呼び声子の返事

 

親の声が響き流れるのでしょう・・・

「必ず救うまかせよ、ここにいるから、一緒にいるから・・・」

 

お念仏って温かいですね。

 

衆生ごとにとおはたらきです。

ひとりひとりの前に御立ち向かいくださる。

一人ぼっちのあなたを・・

傷つき泣くあなたを・・・

救わずにはおけないんだと一緒に涙し優しき微笑みを浮かべつつ・・・

ここに・・・

 

そう、あなたを喚んでおってくださるのです。

 

「ハイ、ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・」

もの凄く和むコイツがいました。