もう一度・・・
大切な方との別れは辛いものですね。
それが、
仲良く、ず~っと一緒で支え合うそんな日常が流れていたとなると尚のことでしょう。
目を瞑る姿。
名を呼べば目が開きそうな気がする。
顔を擦り手を擦る。
やっぱり冷たいね・・・
さあ、いよいよ顔を見ることができる最後の時。
喪主様が棺の窓を閉じようとされますが閉じかかった扉をもう一度開けて覗き込む。
お前の顔を見るのも最後なのか・・・
もう見ることができないのか・・・
長い間、世話になったな~・・・
ワシもすぐに参らせていただくから・・・
何をつぶやいておられているのか聞こえません。
でも・・・
愛しさいっぱいで涙されることは間違いないでしょう。
窓を閉じ歯を食いしばりうつむかれました・・・
そして、ボタンを押されました。
手を合わせお念仏申しつつ・・・
願生りましたね・・・
これからも願生りましょう。
先日の夫婦で勤めたお夕事が臨終勤行になりました。
いつものように定位置に座りながらお念珠を渡された。
「なんまんだ~ぶ、なんまんだ~ぶ・・・」
身体が弱っていることを感じつつ・・・
でもまさかこれが臨終勤行になるとは思ってもなかったでしょう。
今頃、その場に座りながら涙されていることでしょう。
思わずお念珠を渡されようとしたかも・・・
でも、一人じゃありませんから・・・
一緒にいてくださいますから・・・
だから、安心して泣いて下さいね。
「ワ~ン・・・」と泣いて下さいね。
きっと、あったかい涙であることに気付くはず・・・
寂しいけど、寂しくない・・・
コイツの人生を歩ませていただいています。
いろんなことのある日常を何とか支えられ歩ませていただいています。
この空の向こうには何があるのか・・・
もっと楽しいことがあるんじゃないか・・・
そんなことを思いつつ疲れた日常を抱えながら立ち止まるコイツ。
狭い狭いコイツの日常。
狭い考えで空の向こうを見ています。
そんなコイツの日常ではどんな羽のある虫が語ってくれるのだろうか・・・
阿弥陀さまの御国につながっていることを優しく語りかけてくれるのでしょう・・・
大丈夫だよって・・・
そのまんまが最高のおはたらきの真っただ中だよって・・・
いつも 風の中・・・
追い風だったり
向かい風だったり
くすぐるような風だったり
風は
地球が 回っている 証拠
時が 流れている 証拠
風は 見えない けれど
風を 感じて
今日も いちにち
願生(がんば)りましょう
(つづく・・・)