月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

息子之声

2013年05月27日 22時49分27秒 | 仏々相念(住職日記)

コイツが支えられ・・・

 

今日のお参りでの一コマ。

視界に入る親子がいます。

お父さんは同年代、少し年下の逞しくも優しいお方です。

コイツも仲良くしていただいています。

息子さんは小学低学年。

コイツのすぐ横に息子さんが座り彼の後ろにお父さん、

そういう位置でのひと時となります。

 

涼しくしていただいた部屋は気持ちのいい空間でした。

一日の疲れがでるのでしょうか、

座ったままで息子さんがウトウトウトウト・・・

あ~、疲れてんだ・・・可愛いな~

そんなことを思いつつお勤めをさせていただいていました。

すると、気持ちいいところでしょうね、ガクッっと前のめりになりかけると

後ろのお父さんが直ぐに抱きしめます。

大きな大きな腕のなかで寝かせてやろうとするのです。

 

有難いな~・・・

 

彼は眼を覚まし直ぐに座り直されていました。

大きな親父のおはたらきに出会う彼は安心して座り直すことができるのでしょう。

自分の人生を力強く歩むことができる。

疲れることも病むことも悩むことも、沢山ある人生を生き抜くことができる。

 

2日間の永代経法要のご縁をいただきました。

優しいお話をいただいた後は、

法要の疲れが出ても心はウキウキして願生ろうって思い立つことができます。

 

この度のお勤めも息子が一緒にお勤めをしてくれました。

コイツがどうこう言うからではなく自らが率先してお勤め下さるのです。

息子も来春より新たな道を目指して旅立つ予定です。

お勤めする息子の張りのある声を聞かせていただきながら、

こうやって一緒に法要のご縁に会うのもあと数えるくらいなんだ・・・って気付いたことです。

そう気付けば尚のこと有難くて愛おしくて・・・

 

カスカスのコイツの声・・・

それに比べ体育会系で声出している現役には適いません。

ええ声しとるな~って甘えているコイツがいたことです。

普通は息子を支え守ってやる親父なんでしょうが、

コイツにおいてはどこまでも力のないコイツでありました。

 

心配ばかりかけているダメ親父は今日も息子の声を心で聞きつつ過ごさせていただいたことです。

 

さあ!来春、息子が安心して旅立つことができるようにガラスの声を張り上げて行こうと思います。

阿弥陀ほとけの御前にて慚愧と歓喜のひと時でした。