月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

私之役目

2013年05月24日 21時26分42秒 | 仏々相念(住職日記)

きれいだな~・・・

 

明日より徳正寺永代経法要をお勤めさせていただきます。

坊守の力を借りつつ少しずつ整えさせてただいたお荘厳。

息子もお礼に参っては、「あ~、きれいになったね」って言ってくれました。

なんかそれだけで嬉しくて・・・

今年もこうして永代経法要のご縁に会えることを喜ばさせていただきます。

 

今年になりご法事のご縁の時には浄土三部経の御経本を持参させていただいています。

これが結構な重たさでして・・・

右手首の調子が悪いコイツには辛いところもあったりします。

御経本自体の重たさもあるのですが、

今ここまで伝わることの時間の長さ、多くの多くの先達のご苦労を偲ばせていただくと抱え込みたくなります。

否、抱え込むように持参しなければならないのですが・・・すいません。

「御三部経さんを持ってきておりますので一緒にお勤めさせていただきましょう」

それを手に取り開け読んで下さる方がおられると嬉しくて・・・

今日もよかったな~って嬉しく思うのです。

 

コイツのことを案じて下さるのです、

「重たかったろうにすいませんな~」

「こうやって一緒に読むと住職さんのしんどさが分かるな~」

等々。

案じて下さることは嬉しいことです。

でも、そんなに言われるほど大変でもないのです。

読みなれないものを読むのはしんどく思うものです。

コイツはただ、ご門徒より少々読んでいる回数が多いだけで、数読めば少しは上手に聞こえるかもしれません。

「一回より二回、二回より三回、回を重ねると少しずつ心が安らぐような気がします。」って参られてたご門徒。

「そうですよね、お釈迦様の直説ですもんね。優しさを感じるのかもしれませんね・・・一人じゃない、そう気付くから・・・」

 

お釈迦様が説いて下さる阿弥陀さまのおはたらき。

あったかくて優しいおはたらき・・・

自らの苦しみを出さずただただ優しく包み込んでくださる。

コイツは何の苦労もありません。

阿弥陀さまのことをお味わいさせていただくだけです。

コイツの苦労を思って下さる方は多いのですが、

阿弥陀さまのご苦労を思って下さる方の少ないこと・・・

申し訳ないことです。

 

大きな顔のコイツを拝むのではなく阿弥陀さまを拝んでください。

コイツの大きな頭が邪魔でお姿が見え難かったら申し訳ありません。

直ぐによけますので阿弥陀さまのおはたらきをよろこんでください。

コイツは放っておいていただいて結構ですから・・・

 

「こうやって皆が御経を習って読めるようになったら住職さんもいらんようになるの~」

「それでいいんですよ、そうなったらいいですね。そうなったら喜んでここを立ち去りますから・・・」

結構マジでそう話させていただいたことです。

 

一人一人が阿弥陀さまの前に座り御経本を開き読み喜べるようになったら最高です。

だってじっとしとることなんてできなくなります、

「お寺に参ろう!ご法話を聞かせて頂こう!」ってことになるのですから・・・

すれば本堂も満堂になり読経とお念仏で満たされます。

そうなったらいいだろうな~・・・

そうなることを目標にあれこれ思いつつ坊守と歩んでいます。

そうなればコイツの役目なんて必要ありません。

よろこんでここを出て一人の門徒とならせていただきたいと思っています。

 

さあ、明日の夜座と明後日の昼座の二座のご縁となります。

どれだけの方々のご苦労があってこの日を迎えることができるか分かりません。

御経本の重たさを両の手に感じ、合わす手の温もりに愛するあなたの温もりを感じつつ座らせていただきましょう。

 

御講師は熊本県からお越し下さいます恒松見照師です。

温かく優しい人柄そのままのお話をして下さる先生です。

一人でも多くその優しさに触れていただければ嬉しいです。

 

お誘い合わせの上、お参り下さい。

あなたがお参り下さるのをお待ちしています。