月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

『戦火のなかの子どもたち』のはなし

2013年08月14日 21時14分33秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

『戦火のなかの子どもたち』

岩崎ちひろ・作  岩崎書店

 

今日のご法事の休憩時間に、宇和島空襲の話を聞かせていただきました。

焼夷弾が降ってきた時のことを、幼いながらに覚えている・・・

負ぶってもらって逃げた・・・

まだ学校にも上がらない幼児の頃の記憶だそうです

消えないのですね・・・

70年近く経っても・・・

 

ある人はこう話されました

暗闇の中、橋の下で焼夷弾の降るのを見た記憶が残っているから・・・星空は嫌い、と

 

 

以前、いわさきちひろ美術館を訪れた時に、ちょうど『戦火のなかの子どもたち』の原画展をやっていました

この絵本は初めて読んだのですが・・・

展示されてある原画の前で、泣けて泣けて、仕方がないほど泣きました

こんなことは、これまでではじめてでした

 

何を守るための戦争なのでしょう・・・

何を奪うための戦争なのでしょう・・・

 

どうか、今も・・・これからも・・・

世界中の子どもたちの

あの柔らかな頬が傷つきませんように・・・

あの澄んだ瞳から悲しみの涙が溢れませんように・・・

あのあどけないくちびるが憎しみにゆがみませんように・・・

あの小さい指を握る手が離れませんように・・・

やさしく、暖かな記憶に満たされますように・・・

 

 

 

 

 


自分勝手

2013年08月14日 20時24分34秒 | 仏々相念(住職日記)

自分勝手ですな~・・・

 

お参りさせていただいたご門徒との会話。

大事な大事な可愛いお孫ちゃんを香川まで迎えに行く。

「その時はな~嬉しいて嬉しいてたまらんので~」

連れて帰って2,3日はお守りも楽しい。

 

でも、流石に連日のプール通いのお供。

遊びのお供にホトホト疲れる。

何かあっては大変ですからな。

 

「帰っていただいた後は婆さんと寝込みました」と笑われる。

「自分勝手ですな~。あんなに楽しみで待っていましたが、どこまでも自分です」

「そうですね、そうなりますよね・・・」

 

どんなに可愛いと思っていた子であり孫であろうとも

苦しくなったらどう変わるか分かりません。

 

オレが苦しいのにそれどころじゃない・・・

私がしんどいのに他のことなんて知ったことじゃない・・・

 

まことしやかな言葉を並べていてもどんなに変わるか分かりません。

理想ばかりを並べられても恥ずかしいだけです。

 

自分勝手な者よと深く慚愧するときチットは生き方も変わるのではないでしょうか。


感謝之姿

2013年08月14日 19時41分37秒 | 仏々相念(住職日記)

優しい姿だな~・・・

 

感謝する人の姿は優しき姿ですね。

こちらまで優しくなれるようです・・・

 

夕方、すべてのご縁を勤め終えお荘厳を整えます。

しんどいな~・・・って思いつつ作業着に着替えます。

さあ、やろうかって外陣に入ると外の方で音が聞こえます。

「ん・・・」外を見ると息子が自転車の所にいます。

 

手に拭きタオルを持ち自転車を拭いています。

昨日のことがあったからなのでしょうか・・・

でも、優しく労わるように撫でている姿はいいものです。

暫く外陣からその姿を見ていました。

 

「ありがとう」いっぱいになります。

 

その時は少しでも前に、前に・・・

前に進むことしか考えません。

一生懸命に漕いで漕いで・・・

その一生懸命を支えるように自転車は悲鳴を上げながらでもタイヤで地面を蹴る。

共に蹴る、蹴る、蹴る・・・

 

走り終え心地いい疲れが出る。

深い深い眠りに入り少しずつ体が癒される。

 

外に出た時に自転車が視界に入ったのでしょうか・・・

昨日、走ったよな~って思うと愛おしくなるのでしょうね。

愛車の疲れを取ってやるように・・・

拭いている・・・

自然に・・・

 

こんなの大好きです、コイツ・・・

正直、こういう思い大切にしたいです、コイツ。