「話の話」を初めて見たのは、吉祥寺のバウスシアターだった。
今もある西友の前に、元々は「ムサシノ映画劇場」(小さな頃、親に連れられて何度か行った覚えがある)
としてあった映画館が改装されて、今のミニシアターの走りとして出来た映画館。
バウスシアターとジャヴ50と言う、2つのスクリーンがあった。
(今は3館に増え、バウスシアターの1.2.3と言う呼び名になっていて、ジャヴ50は今のバウスシアター2となっているらしい)
バウスシアターもジャヴ50も、こだわった作品を上映していて、ずいぶんと通った。
「話の話」はバウスシアターの方で上映され、あまりの衝撃で、そんなに長くない上映期間中、3度も見に行った。
二十代の中頃のことだ。
僕にとって、アートアニメーションの洗礼は、この作品と言って良いだろう、
それ以来、数多くのアートアニメーションを見、自分の感性に、とてもたくさんの影響を受けている。
もともと映像から受けるものが多く、それは一度行った場所は忘れない、とか、
行った場所の周りの風景も、見たことがなくても、その一環として認識できる、というような事に繋がっているようだ。
(初めて行った場所で、この道を行くと、どこどこに出るのでは、という、土地勘のような感覚、鳥の帰巣本能に近いか・・)
昔、カウアイ島をバスで廻った時に、ある海岸で、突然ミュージカル映画の「南太平洋」のシーンをを思い出し、
帰ってから調べたら、まさにその海岸で「南太平洋」のロケを行っていたことがわかったこともある。
この一種特技は、「ふきのとう」のサポートをしていた時代、
ある日の夜、「ふきのとう」のリーダー山木さんから電話があり、
今、「ふきのとう」の二人で松本に来ているのだけれど、
一年前のコンサートの時に行ったお店に行きたいのだが、分からないか? と問われ、
電話で、一度行っただけの店を、その時二人がいると言う駅前から、説明をして無事ナビゲートしたことで、
当時コンサートのMCネタに使われ、知られるようになった。
その時は、なんと記憶力の良い! と言う風に言われたのだが、記憶力と言うか・・、その場所の風景を
映像として、それも細かい所ではなく、全体を漠然と覚えていると言うことで、
間違っても頭が良いと言う方向には行かないなあ・・
写真は太平洋を横断し、たどり着いたカウアイ島。
まさに南太平洋!