闇と光の慈愛のコントラスト(103)新たな時-はじめての犯罪③-
==第二章、闇と光の決着==
--新たな時(016)初めての犯罪③--
-その晩に何が起こった-
モウジィは、金塊を持ち帰り、夜を楽しんでいた。
「ドンドン ドンドン」
(こんな夜に誰だ?
金鉱に何かあったのか?)
モウジィは、しぶしぶ応対に出た。
「夜分(やぶん)遅くに何のようだ?」
モウジィは、戸を開けた。
「すみません。クィージェです。
ご相談したいことがあり、お尋(たず)ねしました」
「なんだい。金鉱で何かあったか?クィージェ」
モウジィは、少し驚いたが、冷静さを装った。
「少し、外を歩きませんか?」
クィージェは、モウジィを外に誘い出した。
モウジィを夜の森、会話を誰にも聞かれない場所まで連れ出したかった。
暫(しばら)く、2人は歩いた。
「どこまで行く気ですか?」
2人は森の中に入っていた。
モウジィは、いい加減痺(しび)れをきかした。
「分かりました。お話しします」
クィージェは、思いつめていた。
「モウジィ。今日の出来事、金塊を見つけたことは内緒にできませんか?」
「すまん。パアソネさまに話してしまった。
金を小麦の代わりに通貨にするとおしゃってたぞ。
みんなの周知(しゅうち)の出来事になるだろう」
モウジィは、早まるなと諭(さと)すように言った。
「でも、それは好都合かもしれません。
金塊を盗み取りしましょう。
あの古(ふる)き4人衆にいつまで牛耳(ぎゅうじ)られていていいのですか?
金塊は、将来、私たちを導いてくれます」
「私は、そんなに4人を気にならないが。
クィージェは、そんなに気になるのか?」
モウジィは、今の暮らしで十分満足だった。
「お願いがあります。夜に森を迷わないために方位磁石をお貸してください」
クィージェは、なりふり構わずに本題に入った。
「神ドボフォィ様にいただいたものです。
お貸はできませんが、
作れるそうですよ。
磁気を帯びた鉱石で代用できるそうですよ。
私が以前見つけた磁気を浴びた石をあげましょう」
「本当ですか?」
「夜は方角が分かりませんしね。
磁気を帯びた石は北を指すそうです」
モウジィは、何の利得があるのか手助けした。
それは、何を意味するのか?共犯になると言う事か?
「ほんとうですか?ありがとうございます」
クィージェは、今夜しかないと思いつめていた。
どうしても今夜、金塊を盗まねばと思った。
「でも、私は、関与しないよ。
盗まれた思えば素直に言うよ。
だが、犯人は捜(さが)さない。
それでいいかい」
モウジィは、争いが嫌いだ。
家に戻り鉱石をクィージェに渡した。
「東に進み、崖にあたると左周りに迂回(うかい)するのだよ」
「分かりました」
クィージェは、家に急いで帰った。
家には、ガンジェが待っていた。
そして、2人は、金塊を盗みに行った。
つづく。 次回(騎士による捜索)
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