人間の本位『反撃の祈り』20240115001
2023年が終わろうとしている。
真は、曼陀羅の絵を描いた。
元初現佛である。
元初に現れる仏である。
青と赤の剣を持っている。
正邪の剣である。
それを木に彫ろうとした。
木と彫刻刀を買ったが、
彫刻刀が中国製なので評判どおり、
研がないと切れなかった。
研ぎ石も買った。
今度は、興味本位で3Dプリンタも買った。
何か像を作りたいからである。
だが、元初現佛を作るためではない。
やっぱり、曼陀羅は自分の手で彫りたかった。
仏像を作りたかったが、
(俺にはこんなものしかできない)
(ありきたりでは意味がない。
苦難を背負うような仏を彫ろう)
真は、心に思った。
(3Dプリンタで作るのは何がいいだろう)
女神を描いた。
先生がなくなった。
毎年、死んだとか噂になり思いを巡らせるが、
(とうとう、天に行く気になったのか)
ふと、真は笑った。
そして、真の人生はここで一度終わりを告げた。
(先生は俺に何も望まなかった。
不詳の師だったな)
真が7・7の選挙の戦いで病気になったからか?
気遣ったのか?
結局、俺が不詳の弟子だったのか。
今度は、自分自身を笑った。
大晦日が来た。
真は、今年、あまり祈っていない。
本当は先生の弔いをしたかったが、
真には未来は見えなかった。
祈りしかないのである。
しかし、今年の締めくくりとして、はじめの勤行をしようと思った。
それは、妙法の心の示唆があった。
そんなたいそうなものなのか、
そうすることが大晦日の恒例行事であったからである。
なんとなくこの世界が妙法に帰依してほしいと思った。
元日、何もなく年は始まった。
雑煮を作ろうと年末から準備をしていた。
うまくできた。
真は、元旦に雑煮を作ろうと生きこんで、昨日遅くまで起きていたので疲れていた。
なぜか寝れない。
夕方が近いように思えた。
テレビをつけ番組表をみた。
お笑い番組がある。
何か笑う気はない。
急に家が揺れた。
その揺れは長く続いたように思う。
テレビは、みな緊急放送に変わった。
(油断した。いつもそうだ)
(先生の誕生日?)
仏が逝くと人を連れていくのか?
そんなルールがあるなら俺が変えてやる。
母が階段を登れなくなった。
俺は、信仰者で誰よりも家族を愛していて、家族は幸せである。
あの、友人より。
俺が母が死ぬまで幸せに過ごさせる。
震災が落ち着き始めたころ、
真は祈り始めた。
「15分。最初はこんなものか」
(真。なぜ祈りだしたの?)
心に声がする。
(それは、神様や仏様が望むからです。
妙法の逆襲です。
時が来たのでしょう)
(真は自由だな)
先生が言ったような気がした。
世界を妙法に帰依さえる。
それは、まず、人を帰依させること。
つまり、世界の人に祈ることです。
真は、リレーション犯である。
祈りは、世界とつながっていると思った。
人はつながっている。
本尊は本尊のリレーション。
人は人のリレーション。
我の肉骨を与えん。
痛みを分かち合わん。
悲しみを分かち合わん。
喜びを分かち合わん。
45分祈れるようになった。
「妙法の逆襲だ!」
(今年は、妙法の逆襲の年だ)
つづく。
また、機会があれば書きます。