フェイル・セーフティ(fail safety)という考え方があります。フェイルは「故障」、セーフティは「安全」で、つまりは「安全な故障」という意味になります。一見、矛盾する言葉の繋がりですが、この言葉が表す精神は、全ての機械(システム)に故障は避けられない、だから万が一、故障しても安全を確保しようという思想です。
フォールト・トレラント(Fault tolerant)という考え方もあります。これは一部で問題が発生しても、それが原因で全体がおかしくならないようにしようという発想です。
例えばジャンボジェット機には4つのエンジンが付いていますが、ただ飛ばすためには4つもエンジンは必要ないとか。1個か2個でも充分に飛べるそうです。しかし、それだとエンジンが故障した時に、直ぐに墜落という事態に陥ってしまいます。そのため、余分にエンジンを付けているのです。
文部科学省の通達によると、プールの給排水口の防護柵は二重にしておくことと指導されていたそうです。しかし調査によれば、1900近いプールで、これが守られていなかったとか。確かに防護柵はひとつ付いていれば、人が吸い込まれる事故は起きません。しかし埼玉県の事故のように、それが外れてしまえば、たちまち事故が起きてしまいます。防護柵を二重にするというのは、fail safetyやFault tolerantの発想と言えるでしょう。
しかし残念ながら、これらの思想は、まだほんの一部にしか浸透していません。いや、本来ならば浸透しているべきエレベーター業界でも、シンドラー社の事故を見れば、全然考えられていない印象を受けます。
機械やシステムは絶対に故障しない物ではなく、人間は絶対にミスしない存在では有りません。故障やミスが起きたとき、それを大惨事に繋げないためにも、これまで述べた考え方がもっと広まるべきだなあと考えます。
ついでに言うと、昨日のエントリーで「記者は着メロを使うな」と書きましたが「バイブにすれば問題ないじゃん」という考えもあるかと思います。しかし、それを承知のうえで「変え忘れることや、変えられない場合も有り得るから、使うべきではない」と考えます。これもfail safetyのひとつですね(笑)。
fail safetyやFault tolerantというのは、なにも原発や乗り物、工場などの一部の世界だけでなく、すべての世界で役立つ精神ではないかと思います。
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例えばジャンボジェット機には4つのエンジンが付いていますが、ただ飛ばすためには4つもエンジンは必要ないとか。1個か2個でも充分に飛べるそうです。しかし、それだとエンジンが故障した時に、直ぐに墜落という事態に陥ってしまいます。そのため、余分にエンジンを付けているのです。
文部科学省の通達によると、プールの給排水口の防護柵は二重にしておくことと指導されていたそうです。しかし調査によれば、1900近いプールで、これが守られていなかったとか。確かに防護柵はひとつ付いていれば、人が吸い込まれる事故は起きません。しかし埼玉県の事故のように、それが外れてしまえば、たちまち事故が起きてしまいます。防護柵を二重にするというのは、fail safetyやFault tolerantの発想と言えるでしょう。
しかし残念ながら、これらの思想は、まだほんの一部にしか浸透していません。いや、本来ならば浸透しているべきエレベーター業界でも、シンドラー社の事故を見れば、全然考えられていない印象を受けます。
機械やシステムは絶対に故障しない物ではなく、人間は絶対にミスしない存在では有りません。故障やミスが起きたとき、それを大惨事に繋げないためにも、これまで述べた考え方がもっと広まるべきだなあと考えます。
ついでに言うと、昨日のエントリーで「記者は着メロを使うな」と書きましたが「バイブにすれば問題ないじゃん」という考えもあるかと思います。しかし、それを承知のうえで「変え忘れることや、変えられない場合も有り得るから、使うべきではない」と考えます。これもfail safetyのひとつですね(笑)。
fail safetyやFault tolerantというのは、なにも原発や乗り物、工場などの一部の世界だけでなく、すべての世界で役立つ精神ではないかと思います。
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