観劇のお誘いを受け、生・大沢たかおくんを、「シアタードラマーシティ」で見る機会を得た。
といっても、本物の舞台を見た経験は、ほとんどなかったカッチイには、2時間たっぷりの翻訳劇の二人芝居は、ちょっと上級編という感じだったな。音楽もなく、場面の変化もなく、とにかく、2人のやりとりの膨大なセリフを追うのは、かなり疲れた。
図書館司書ハリー(大沢たかお)が図書館の目録カードが廃棄されコンピュータ化されることに反対して、図書館にろう城する。そこに単身ベテラン刑事ブライアン(長塚京三)がやって来て、男の説得を試みる。
こんなことがお芝居のストーリーなっちゃうの?なんて思っちゃったら、芝居の世界には浸れません(笑)話じたいのリアリティより、緊迫した空気のなかの2人のやりとりに醍醐味があるのだから。2人の会話は、駆け引き以上にぶつかりあいながら、時には友人のように、父子のようにさえ感じる関係がたちあがってくる。その糸口が見えては、もつれる。ハリーは、苛立ち、唯一の道具立ての机にかけのぼったりする。その姿が、かっちょいい!大沢くんは、実に舞台映えのする役者さんだ。なだめるブライアンの長塚京三さんは、余裕のある飄々とした芝居で受け止める。60歳を目前に迎えようというのに、足がうんと長くて、渋い。
学生のころ、卒論を書くため、中ノ島図書館に通った。手書きのカード目録を見て、人の手によって本が分類されていることを感じた。書き足しや書き直しがあると、その本が大事に保存されてきたことがわかった。
古い紙のにおいが立ち込める図書館自体が、カッチイも好きだった。高いドーム状の天井や、階段の手すりを今でも覚えている。