「Drコトー診療所2006」は、全11回で、トータルなお話と見たほうがよいようだ。「Drコトー診療所2003」のときは、各回にゲスト出演者を呼んで、一話完結型という感じだったのだけれど、今回のシリーズは、彩佳が、がん治療のために東京へ、タケヒロ・タケトシ親子も、島を出てのストーリーも、連続して引っ張って見せている。
2003年版は、コトー先生が、物語の主軸であっただったけれど、2006年版は、コトー先生は、それぞれの人の物語を見守る存在として描かれている。
今回は、ゆかりさんの胃がんが発覚し、タイトルも、「命の期限」
当の本人のゆかりさんは、コトー先生から、何もしなければ余命3ヶ月と聞かされても、気丈夫で冷静だった。夫のほうが、隠しきれない動揺があったというのに。
でも、春江さんから、お気楽に、「頑張ってね」と声をかけられると、さすがに、「私にどうがんばれっていうの?」と声を荒げてしまう。当然でしょう。
3歳のチカちゃんは、母親の不安定さを感じて、話したいことあったけれど、「もういい」とお父さんのほうにうずくまってしまう。このへんのリアクションが自然だったなあ。
期限が迫った命とは、対照的に、生まれてきた命を描いたのも、秀逸。わが子を残していかなければならない母と、子供を産んだばかりの母が、同じ病室に寝ているというのも、何とも皮肉。でも、ゆかりさんが、頼んだことは、春江さんの生まれたばかりの赤ちゃんを、抱かせてもらうことだった。「これが、命の重さね。」
母は、強し。ゆかりさんは、1日でも長く、チカのそばにいたい。抗がん剤治療を、コトー先生にお願いする。ゆかりさんのきっぱりした表情が、凛として美しかった。桜井さんの演技って、押し付けがましくなくて、吉岡さんとの演技の相性が、ぴったりだった気がした。
コトー先生が、ゆかりさんに言った言葉。「生きることだけを考えてくださいね。どんな状況になっても最後まで自分は生きるんだと思い続けてください」
これって、今闘病している人にとっては、何よりの励ましの言葉になるでしょうね。
ゆかりさんの闘病は、この回だけでは、とうてい解決せず、来週に持ち越し。
第8回は、2003年版は、「あきおじの死」を扱った回で、視聴者が涙をふりしぼったものだ。ヤマ場となる回になるに違いない。
というのは、ゆかりさんの胃がんは、コトー先生には、彩佳さんの乳がんの件を、痛感させずにはいられないわけで、第8回は、最終回まで持ち越される彩佳さんの手術にも、影響を与えると思う。
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