VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

ケミレスタウン、千葉大学

2007年12月12日 | 社会・文化
千葉大学が千葉県・柏の葉キャンパスで研究しているケミレスタウン・プロジェクト
‘chemical less’化学物質を可能な限り減らしたモデルタウンをケミレスタウンと名付けて実験、提案する。

住宅建材や家具、家電などから出る化学物質によるシックハウス症候群を防ぐためにも
実験住宅では積水ハウス、東急ホームなどが参加している。(ケミレスタウン推進協議会

千葉大学では漢方療法や園芸療法などの研究も柏の葉キャンパスでは市民参加の中進められているようで興味深い。
 

今日のシンポジウムは登壇者が豪華!養老孟司さんに東京大学の小宮山総長、千葉大学学長、積水ハウス和田社長。
 
このプロジェクトのリーダーは千葉大学の森千里教授。ナント曾祖父は森鴎外!
文学で有名な森鴎外だが東大医学部出身、東京市長だった時に下水道整備など衛生学から街づくりを行い
インフラから予防医学を推進。今回のテーマとのつながりを森教授が話された。

  
養老孟司さんは言葉よりも物に真実があり、現場医療より予防医療につながる研究にこそ意味があると。
森鴎外と後藤新平が目指したものとアプローチの違いをお話。テレビでは気づかなかったが、養老孟司さんの声が素敵で聞き惚れてしまった。

小宮山総長が「私のアレルギー体験」と題して、ご自宅をエコハウスに新築した紹介を。
 
「複層ガラスによりカーテンのカビも無くなり、太陽光発電オール電化で年間光熱費は5万円ほどに」と、
東大総長にして環境エネルギー研究者のお話とは思えない生活者レベルの体験談をご披露された。
ちなみに車もマークⅡからプリウスに乗り換えたと、素晴らしい。

和田社長は住宅業界の対応や取り組みを住宅産業団体連合会会長としても紹介されたが
千葉大学のコーディネーターからは「住宅業界の方々は17年の業法改正で十分のように思われ、科学物質の影響に関心が低い」と。
「積水ハウスは2030年の街づくりをMITとハーバード大とで研究中」と東大&千葉大学長を前に強調する和田社長・・・

今後、ケミレス実験住宅にはアレルギー患者の子供を持つ家族が滞在して観察調査を行うということ。
医食同源ならぬ“医住同源”を体験し信じる私には、大変興味深い産学共同プロジェクトである。

YKKーAP、2008年に向けて

2007年12月12日 | 住宅業界
サッシメーカーから窓メーカーへの転換を宣言し事業拡大しているYKK-AP
吉田忠裕社長から2007年の振り返りと2008年への展望を伺う記者懇談会が秋葉原の本社で開催された。

業績は海外事業が着実に伸びているものの、メインの国内が住宅着工戸数の不振と共に
YKK-APの場合住宅比率も高い中、現場での価格競争も激しくなり利益が昨年比半減。

ただ来期は、中国でのビジネスが多地域に展開し好評価であることから拡大が期待され
米国での樹脂窓事業も順調、興味深かったのは‘グローバルファサード事業’としてシンガポールにYKK-APファサード社を設立し、
多国籍人材でグローバルな大規模プロジェクトに対応する高付加価値商品を提供してゆくという取り組み。
「車の世界で言うと、F1にチャレンジし高度技術を磨くようなこと」と、吉田社長。  
  
(懇親会ではリクルート社の女性陣に囲まれて) 写真右上、広報の河合さんと久しぶりに。

懇親会の後、本社1階にOPENする「カフェ・ボンフィーノ」へ。YKKが経営するブラジル農園の豆をここで味わえる。
プレス仲間、「MyGARDEN」のマルモ出版松田清江副社長と。
  
ここで、?十年前の吉田社長の写真を発見! 農園に立つ若かりし日のスリムな吉田さん!?(右上)

実はYKKグループでは、今年買収したドイツ企業の問題で欧州委員会から約245億円の制裁金支払いを命じられている(提訴中)。
これにより赤字に転落する見込みという苦境に立たされているが、ファスナー事業で培った海外事業展開が建材事業にも活かされていて、
基本的にドメスティックな建材業界にとっては、その動向をキャッチアップする企業も少なくないと思われる。