VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

2×4協会、20年度総会&懇親会

2008年05月27日 | 住宅業界
(社)日本ツーバイフォー建築協会のH20年度総会の記者会見、および懇親パーティが開催された。
協会の事業計画などの発表が小川会長や池田専務理事より行われた。

住宅着工戸数全体が約103.6万戸(前年比▲19.4%)と激減した昨年度、2×4住宅も戸数では99450戸(前年比▲6%)という結果。
昨年、初の10万戸超えに沸いた会であったが、2×4建築でも建築確認申請の遅延や景気減退の影響を受けた。

2×4工法による住宅着工シェアは9.6%と1.4ポイント伸ばした。(在来軸組37.5%:プレハブ14.2%、共にUp)
建築基準法改正問題を諸に受けた鉄骨RC系マンションのシェアが落ちた結果のシェアUp。
  小川会長(三井ホーム)がご挨拶
面白い現象は、このご時世に協会会員数が765社と15社増加!? 聞けば、
2×4工法が2004年に耐火構造認定されて以来、集合住宅や商業施設のニーズが高まり
設計事務所の協会加入が増加し続けている。2×4工法の利用別内訳も、貸家が53.9%と5ポイントも伸びた。
米国では商業施設や集合住宅にも2×4建築が多く見られ、断熱性やデザイン性と共にコストパフォーマンスが高いのが2×4工法の特徴。
日本でも供給数が増えれば工賃も下げられるはずで、更に多様な建築物への普及を期待したい。

懇親パーティでは、松谷蒼一郎氏・上野公成氏と2×4建築普及に尽力されたセンセイ達が過去の思い出話・・・松田妙子氏もお忘れなく!

国交省住宅局の小川官房審議官に続き、2×4協会ならではアメリカ&カナダ大使館からもご挨拶。

新選任の役員ご挨拶には、森東急ホームズ新社長や脇三菱地所ホーム新社長も。

住宅設備関連企業も会員、新日軽の長谷川会長(左)は取材以来懇意にして頂いていて声をかけて下さった。
  
最後に皆さんと、右からプレハブ建築協会菊田専務理事、日本2×4建築協会の小川会長と池田専務理事に挟まれ私、
そして左端は、次期住団連専務理事の佐々木宏氏もご一緒に。

積水ハウス新社長お披露目

2008年05月27日 | 住宅業界
1月決算の積水ハウス、4月末株主総会で阿部俊則氏(56)が代表取締役社長(COO)として承認された。
最年少取締役からの社長就任で、和田前社長が代表取締役会長(CEO)に就かれ‘院政’と見られがち。
そんな注目のご両人が揃ってお披露目会見、業界記者を集めてホテルニューオータニで行われた。
和田会長から、阿部社長のご紹介というより開口一番
「もぅ昨今は、海外投資・進出のことばっかり皆さん聞きますが、そんな事より国内でやるべき事がまだまだある。
当社の環境やサスティナブルに対する取り組みに、もっと注目して欲しい。」と、のっけからいつもの論調で‘海外の事は聞くな’と牽制。

大和ハウスや三井不動産がグルーバル事業に積極展開しているので、アナリスト達に突っ込まれ続けているのだろう。
今回の新組織に‘海外における事業推進にむけた調査、研究のため’と国際事業部を新設したのだから、
質問が集中するのも当然だと思うが・・・用意された資料もサスティナビリティ・レポートや[CO2オフ住宅]。
  左、阿部新社長が住宅事業、和田会長がその他開発等の経営体制

「我が社は海外へ逃げたりせず、国内に腰を落ち着けてコアの住宅事業をしっかりやる!」と和田会長の言葉を受け
阿部新社長から、そのコア事業強化の戦略が紹介された。

●大型体験型施設「住まいの夢工場」の拡充
関東では茨城県古川市にある「夢工場」。以前私も見学させて頂いたが、遠路遥遥見学に出向く検討客は
約23000人/年→60%受注という切り札的な営業場面として機能しているようだ。(団体で案内するバス見学会からでも、25%の受注率ということ)

総合展示場への出展を70棟ほど減らし、自社の「夢工場」で構造や会社の姿勢までを知ってもらうプレゼンテーションにシフトする。
今年7月には、IS・シャーウッド縁の家・βシステムの高級商品モデルハウスを拡充し強化する。

また関西圏には、総合住宅研究所(京都府木津川市)に隣接して約8300㎡の「夢工場」を新設する。(09年3月Open)
住まいの総合的学習の場「納得工房」と併せて、現在約35000名の見学者数を倍増する目標。

●「住まいの参観日」では環境をテーマに、太陽光発電や燃料電池で[CO2オフ住宅]の普及を促進する。(秋開催)

●06年からスタートした「まちなみ参観日」も春秋に全国開催し、環境共生住宅認定などブランド力を強化する。

会見後の懇親会で記者達と懇談する、和田会長と阿部社長。
 阿部社長は東北ご出身、私と並ぶと更に背が高く見える

業界でも関心の高い、買取再生再販住宅[エバーループ]も、その投資額や目標を聞かれると
「マンション事業と同じで数字を追いかけると、いらんもんまで買ってしまったりする。数字は掲げない」と外向きには・・・和田会長。
都市開発案件で利益が大きく増減する事も不本意かも知れないが、来年以降また大型案件が確保されている。

多角経営の大和ハウスが連結売上で積水ハウスを逆転したが、住宅事業に於いては積水ハウスが圧倒的な戸数でリードする。
その顧客接点を活かして、住宅事業をどう展開してゆくのか。新社長の手腕にも注目して行きたい。