VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

Home StagerとInterior Designer

2010年10月23日 | NYショーハウス2010
米国の住宅販売において、既存(中古)住宅は新築住宅の3-5倍の販売数がある。
日本の場合、住宅販売数の内に既存住宅13%(H15年時点)を27%に上げるというのが
住生活基本計画に盛り込まれた目標ではあるが、
日本人の新築志向がナカナカ、既存住宅の販売を活性化しない現状である。
(コネチカットの住宅地では丁度、ハロウィーンのデコレーションが)

そこで、米国市場において既存住宅の販売促進策として定着している
[Home Staging]に注目し、そのデザイナー[Home Stager]に取材、
LIVING SPACES DESIGN, LLCのEVA TOFTさんにその現場について伺った。
 
Stagingとは中古住宅を売りに出す際に、
見栄え良くして買い手にアピールできるよう仕立てるサービス。
基本的に売主負担。目的は早期売却と価格Up。
HomeStaging協会の実績調査等では、価格は3-10%のUpで
大きなメリットは、売却期間が1ヶ月以内に98%と通常の1/3以下に短縮できる事。

EVAさんはリーマン問題以降、更にStagingの意義が見直されてきて大忙しの様子。
最近のStagingの傾向としては“撤去する”こと、
家の物を70%も撤去する事がポイントなのだと教えてくれた。
景気の良い時は、ゴージャスに飾り付ける事で見栄え良くしてきたが
昨今は小さめの家を少しでも広く見せるため、また収納に余裕があるよう見せるために
家財道具を一時、倉庫預かりや一つの部屋にまとめたりすると言う。
 
(ご自身の実例写真を紹介。右、お土産のお香セットを喜んでくれた)
あと、家を良く見せるコツは外観・外側にあると
ポストや玄関ドアを赤くペイントしアイコン化、通行人目に留まる家にするのだそう。
EVAさんのStaging料は$1000/日で、約3日間の作業程度から。
($5000-$10000の仕事が多いようだ)
デザインの肝は「カラー・照明・アクセサリーね」と教えてくれた。 


翌日はNewYorkで、別のInteriorDesignerにもインタビュー。(マディソン・スクエア・ガーデン界隈にて)
 
スポーツ・バーっぽいレストランに入り、Americanハンバーガーを食べた。
(添えのフライドポテトは、普通のポテトORさつまいもから選べ、さつまいもフライが美味しかった!)
 
Encore DecorのMindy Miles Greenbergさんは、NYCを中心に活躍するデザイナーで
TVのBefore/After番組もレギュラーで出ていたらしい。
顧客は‘B’illionerも居るようで、相当大変なお世話をする破目にあった話など
デザイナーの苦労を語り・・・昨日も金持ちユダヤ人の韓国人妻に振り回されたとか。
「この仕事は、人そのものをジャッジされる難しい仕事。服や車、夫までが判断材料にされる」と
デザイン能力など仕事ぶりだけでない所でも、努力を求められる仕事だと言う。
2004年日本のNHK「地球ウォーカー」にも出演!
Mindyさんの場合、新規のインテリア・デザインが多いようでStagingはやってないようで
「一般的なNewYorkerは忙しすぎて家に居る時間も少なく、デコレーションを楽しむ余裕も無い。」と
不動産売却の時も、「立地だけに頼って、Stagingで工夫をしようとする売主は少ない」という話。
なんだか、東京と同じだなぁ・・・と思った。
我々がイメージするDIY好きなアメリカ人とニューヨーカーは違うのだと学んだのでした。(金持ちは別ですが)


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