VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

積水ハウス新社長お披露目

2008年05月27日 | 住宅業界
1月決算の積水ハウス、4月末株主総会で阿部俊則氏(56)が代表取締役社長(COO)として承認された。
最年少取締役からの社長就任で、和田前社長が代表取締役会長(CEO)に就かれ‘院政’と見られがち。
そんな注目のご両人が揃ってお披露目会見、業界記者を集めてホテルニューオータニで行われた。
和田会長から、阿部社長のご紹介というより開口一番
「もぅ昨今は、海外投資・進出のことばっかり皆さん聞きますが、そんな事より国内でやるべき事がまだまだある。
当社の環境やサスティナブルに対する取り組みに、もっと注目して欲しい。」と、のっけからいつもの論調で‘海外の事は聞くな’と牽制。

大和ハウスや三井不動産がグルーバル事業に積極展開しているので、アナリスト達に突っ込まれ続けているのだろう。
今回の新組織に‘海外における事業推進にむけた調査、研究のため’と国際事業部を新設したのだから、
質問が集中するのも当然だと思うが・・・用意された資料もサスティナビリティ・レポートや[CO2オフ住宅]。
  左、阿部新社長が住宅事業、和田会長がその他開発等の経営体制

「我が社は海外へ逃げたりせず、国内に腰を落ち着けてコアの住宅事業をしっかりやる!」と和田会長の言葉を受け
阿部新社長から、そのコア事業強化の戦略が紹介された。

●大型体験型施設「住まいの夢工場」の拡充
関東では茨城県古川市にある「夢工場」。以前私も見学させて頂いたが、遠路遥遥見学に出向く検討客は
約23000人/年→60%受注という切り札的な営業場面として機能しているようだ。(団体で案内するバス見学会からでも、25%の受注率ということ)

総合展示場への出展を70棟ほど減らし、自社の「夢工場」で構造や会社の姿勢までを知ってもらうプレゼンテーションにシフトする。
今年7月には、IS・シャーウッド縁の家・βシステムの高級商品モデルハウスを拡充し強化する。

また関西圏には、総合住宅研究所(京都府木津川市)に隣接して約8300㎡の「夢工場」を新設する。(09年3月Open)
住まいの総合的学習の場「納得工房」と併せて、現在約35000名の見学者数を倍増する目標。

●「住まいの参観日」では環境をテーマに、太陽光発電や燃料電池で[CO2オフ住宅]の普及を促進する。(秋開催)

●06年からスタートした「まちなみ参観日」も春秋に全国開催し、環境共生住宅認定などブランド力を強化する。

会見後の懇親会で記者達と懇談する、和田会長と阿部社長。
 阿部社長は東北ご出身、私と並ぶと更に背が高く見える

業界でも関心の高い、買取再生再販住宅[エバーループ]も、その投資額や目標を聞かれると
「マンション事業と同じで数字を追いかけると、いらんもんまで買ってしまったりする。数字は掲げない」と外向きには・・・和田会長。
都市開発案件で利益が大きく増減する事も不本意かも知れないが、来年以降また大型案件が確保されている。

多角経営の大和ハウスが連結売上で積水ハウスを逆転したが、住宅事業に於いては積水ハウスが圧倒的な戸数でリードする。
その顧客接点を活かして、住宅事業をどう展開してゆくのか。新社長の手腕にも注目して行きたい。


2 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-07-05 15:56:41
積水ハウスについては、サウナ、茶室など常軌を逸した社長室といい、和田会長の背中を映す鏡(部下)はいなかったのであろう。横領など次元の低い話しはないだろうが、役員、主要部長などの取り巻きの人達がイエスマンで固められていることをみれば、和田に対しては部下からの諌言もないだろう。

自分が1番正しいとして経営決断をしても、そのまま間違った経営方針を実行してしまい、ブレーキもかからないまま、暴走の危険性を有していると思う。
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新体制に期待したい (Vivien研究員)
2008-07-05 17:39:32
NOVAの話かと思いました。私自身は、そのような社長室に招かれた事が無いので残念ですが・・・
和田会長とも個人的に親しい訳でも無いので、その真意も分からない話です。

ただ、トップの判断だけで機能している規模の会社で無いことは
現場の随所でお会いする関係者を見ていて感じます。

とは言うものの、我々マスコミもトップの発言や人間性も追求した上で
各社の動向や今後を注視して行く努力が必要と思っています。
ご意見、有難うございました。
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