恋人同士

カフェオレを飲んだ。程よく甘い。
14時頃のお店。新聞を読んでいる人、マスターの友人らしき人（親しげに話してるので）が居た。
担当に直しの入った所を考える。もしかしたら、最初から練り直しかもで考えてみる。
やっぱり最初からの方が良いかな・・・。校了までにネームとペン入れ等が終わるかな。そんな心配をしている。
前担当が聞いたら呆れて激怒しそう。


あいつと俺は、幼馴染で家も近所だった。中学の頃から絵を書いていた。漫画家になろうと思ったのは、高校に入ってからだ。
あいつには出来た漫画を直ぐに見せた。的確な評価があったからだ。あいつのアドバイスを取り入れながら送ってみた。
しばらくして、コンテストに出してみてはと、連絡が来た。コンテストではグランプリになり。月刊本に掲載された。
それから、あっという間に売れっ子漫画家になった。
そして、あいつは俺の担当になった。顔出しNGなので、サイン会のオファーがあっても断っている。アシスタントは昔っからの付き合いの子達なので大丈夫だ。
でも、今回の担当替えには寝耳に水だった。少しの間だからと言われている。いつまでか解らないが、なんだか胸にポッカリ空いてしまった気がする。
あいつに会いたい。会ってたわいもない話がしたい。あいつの卵焼きが食べたい。今回のネームの話がしたい。

メールが入っていた。
あいつからだ。「ようやく落ち着きそうなので今日の夜、行く。」との事。俄然、やる気が出てきた。会う前にネームだけは終わっておこう。
「凄いな」と、褒められたい。
カフェオレを飲みながらペンが走る。