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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

娘のためになりふり構わないムロツヨシの演技が感動的な『マイ・ダディ』

2021年09月25日 22時59分17秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:138/198
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
シングルファーザー
白血病

【あらすじ】
御堂一男(ムロツヨシ)は、
中学生の娘・ひかり(中田乃愛)と2人暮らし。
最愛の妻・江津子(奈緒)は8年前に他界。
一男は小さな教会の牧師をしながら、
ガソリンスタンドでアルバイトに励みつつ、
ひかりを男手ひとつで育てている。

思春期に突入したひかりは、
ちょっぴり反抗的なときもあるが、
優しくて面白いお父さんのことが大好き。
牧師として多くの人に慕われ、
たまに娘と些細な喧嘩をしながらも、
2人の穏やかで幸せな日々は続いていく……。

と思っていたある日、
突然ひかりが倒れてしまう。
病院で下された診断は“白血病”。
混乱して事実が受け入れられない一男だったが、
担当医師からある衝撃的な事実を告げられる。

なんと、愛する娘は自分の実の子ではなかった。
ひかりに適合するドナーは「数百万人に1人」
という残酷な現実が一男をうちのめすが、
「血縁者は適合率が上がる」という事実に気づいた一男は、
ある思い切った行動に出る……。

【感想】
父娘の絆が感動的な映画。
娘のいるパパさんは、
より感動しやすいかもしれない。

この映画は、
何と言ってもムロツヨシ演じる
一男のキャラクターが一番の見どころ。
これまでの映画やドラマでは、
コメディ要素たっぷりの役が多い彼だけど、
今回はお笑い要素はなし。
白血病の娘のために、
なりふり構わず奔走する姿が印象的な役どころだった。
以前、TBSで放映していた
『大恋愛~僕を忘れる君と』に近いかもしれない。
これは泣いちゃう人も多そう。

ただ、個人的にはいくつかの点で、
そこまでハマりきれなかったのも事実。。。
時間軸が並行して進んでいて、
ちょっとわかりづらかったこと。
父と娘の仲が良好だったこと。
一男と江津子の幸せエピソードが少なかったこと。
先の展開が読みやすかったこと。

以上のことから、
ストーリーとしては大きな感動や驚きといったものが得られず、
普通のイイ話で終わってしまったかなー。
もし父と娘の仲が険悪な上にこの展開だったら、
もっと泣けたかも。

でも、ムロさんの演技は本当によかった。
普段笑える設定が多いからこそ、
あのシリアスなキャラクターは、
役者さんとしていいギャップに働いたと思うんだよね。

心温まる家族の感動ストーリーを観たい方はぜひ。

映画『マイ・ダディ』公式サイト | 絶賛上映中

ムロツヨシ映画初主演! TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016準グランプリ受賞作品。父と娘の「愛」の物語― ...

映画『マイ・ダディ』公式サイト | 絶賛上映中

 

水俣病患者のリアルな姿に痛ましさを感じつつ、日本人としてそれを風化させてはいけないと感じた『MINAMATA―ミナマタ―』

2021年09月25日 21時23分42秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:35/197
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
史実に基づく物語
水俣病
写真家

【あらすじ】
1971年、ニューヨーク。
アメリカを代表する写真家の1人と称えられた
ユージン・スミス(ジョニー・デップ)は、
今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。

そんなとき、アイリーン(美波)と名乗る女性から、
熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す
有害物質によって苦しむ人々を撮影して欲しいと頼まれる。

水銀に冒され、
歩くことも話すことも出来ない子供たち、
激化する抗議運動、
それを力で押さえつける工場側。
そんな光景に驚きながらも、
冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、
あることがきっかけで自身も危険な反撃に遭う。

追い詰められたユージンは、
水俣病と共に生きる人々にある提案をし、
彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。

【感想】
「水俣病」にまつわる映画。
これは日本人として観ておいた方がいいと思った。

僕が小学生の頃、
社会の授業で初めて習った「四大公害病」。
水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく。
その水俣病患者を撮影した
アメリカ人写真家ユージン・スミスに焦点を当てた映画が本作である。
ウィキペディアを見る限り、
実際のエピソードと異なる点はあるものの、
大まかな流れは同じっぽい。

飲んだくれで自分勝手な印象を受けるユージン。
ただ、写真の腕前は確か。
その腕を見込まれて、
彼は水俣病患者を撮り続ける。

わざわざ遠い異国の地からの来日。
水俣病の原因を作ったチッソ株式会社からの妨害もある。
そんな中、一時は撮影を投げ出そうとするユージン。
しかし、懸命に戦おうとする被害者たちの姿を見て、
彼らの力になりたいと申し出るシーンは印象的だ。
「写真は撮る者の魂も奪う。だから、本気で撮らなきゃいけない」
そう語ってきた彼の覚悟の強さがよく伝わってくる。

ユージンのキャラクターも素晴らしいけど、
やはりこの映画で強く心に残るのは、
水俣病患者たちの姿だろう。
特殊メイクか何かかな。
小学校のとき、
教科書で見た写真のまま、
リアルに再現された姿はとても痛ましい。

また、劇中に出てくる写真の中には、
実際にユージンが撮影されたものもある。
特に「入浴する智子と母」の再現シーンは、
映画を観終わった後に実際の写真と見比べて、
その再現度の高さに驚いた。

終盤における、
被害者たちのチッソ社に対する
抗議シーンも見どころのひとつ。
ここでユージンはチッソ社の社員から暴行を受けてしまう。
映画では触れられていないけど、
実際彼はここで、
コンクリートに激しく打ちつけられて脊椎を折られ、
片目を失明する重傷を負ったそうだ。
それでも彼は相手を恨むことをせず、
その後も撮影を続けたとか。

エンドクレジットでは、
世界各地の公害病の写真が映し出される。
水銀、殺虫剤、サリドマイドなど、
その被害に遭った方々の写真は心が痛んだ。

全体的に淡々と進む映画ではあるけれど、
写真展を訪れているかのような雰囲気がある。
いまだに政府やチッソ社から
十分な対応を受けられていないようだけれど、
日本人にも広く知られている公害病なだけに、
これはぜひ観ていただきたいなと思った。
むしろ、小学生の社会の授業で観たかった。

映画『MINAMATA―ミナマター』公式サイト

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映画『MINAMATA (原題)』公式サイト