【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:1/103👑
ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
コメディ
アニメ
映画製作
映画好き
【あらすじ】
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで
製作アシスタントをしているジーン。
映画に心を奪われた彼は、
観た映画をすべて記憶している映画通だ。
映画を撮ることにも憧れていたが、
自分には無理だと卑屈になる毎日。
だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、
映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。
ある日、ジーンはポンポさんから
次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。
伝説の俳優の復帰作にして、
頭がしびれるほど興奮する内容。
大ヒットを確信するが……
なんと、監督に指名されたのは
CMが評価されたジーンだった!
ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、
波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。
【感想】
映画が好きなすべての人へ。
映画に救われたすべての人へ。
こんなにゆるっとしたキャラクターと
ゆるっとしたタイトルなのに、
中身がとんでもなく面白い!
いわば映画製作を舞台にしたアニメで、
同名タイトルの漫画が原作。
スピンオフはあるものの、
『映画大好きポンポさん』
というタイトルでは3巻まで出ており、
すぐに読めるのでそちらもオススメ。
今作は原作の1巻で、
ポンポさんが書いた
『MEISTER』という脚本を映画化する話。
映画のタイトルにはポンポさんの名前が入っているけれど、
彼女はプロデューサーとして一歩引いた立場。
実質の主人公はジーンで、
映画以外何もない彼が、
いきなり監督という大役を任される。
映画製作の苦労に身を削られながらも、
持ち前のセンスと映画愛を注ぎ込み、
多くのキャストやスタッフと協力して、
作品を形作っていく過程は、
映画好きにはたまらない内容だった。
しかも、漫画にはないオリジナルな展開がすごくよくて。
最初は漫画のトレースかなと思ってたんだけど、
途中から大幅な追加要素が足されていた。
作中劇の『MEISTER』において、
作品をよくするための脚本にないシーンの撮影の数々。
どれもが素晴らしい映像なのに、
限られた尺に収めるため、
どこを切ってどうつなげたらいい作品になるのかという苦悩。
編集の段階で気づいた「追加シーン」の必要性。
それを実現するべく手足を動かすポンポさん。
そして、映画オリジナルのキャラクター、
銀行マン・アランの融資エピソード。
それらをテンポよく、
かつ興奮と感動で包み込んだこの映画は、
僕の中で今年一番面白かったなー。
また、映画はただの娯楽ではなく、
人生を投影したり、
人生そのものを豊かにしてくれるものだというのを
明示してくれたのもよかった。
その映画を観て、
観客に何を一番感じてもらいたいのかを考えたり、
作品の中に自分の経験や記憶とのリンクポイントがあることで、
より編集作業に磨きがかかったり、
映画は人の内面と密接につながっているんだということもよくわかる。
さらに、アニメならではの演出もかっこいい。
編集作業において、
フィルムを剣で斬り、
魔法のようにつなげる表現は、
中二心をくすぐられる(笑)
あとはやっぱり、ポンポさんのこのセリフがたまらん。
「満たされた人間っていうのは満たされているが故に
モノの考え方が浅くなるわ。
だって深く考えなくても今幸せだから。
幸福は想像の敵。
彼等にクリエイターとしての資質無し」
グサリと来る。
映画を作っている人や
映画を観るのが好きな人はもちろんのこと、
例えば友達の結婚式のビデオや何やらで
編集作業を一度でも経験したことのある人なら、
共感できる部分はあるだろう。
もちろん、実際の現場はこのように
スムーズに進むものではないことも多いだろうけど、
映画愛の詰まった今作は映画好きにはオススメしたい。
ちなみに、原作漫画ではすべての登場人物に
好きな映画が3本ずつあるのだけど、
僕が観たことないものばかりで、
かなりマニアックなのも注目したいところ(笑)
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