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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

同じ人物でも立場によって見え方が180度変わる『ミセス・ノイズィ』

2020年12月25日 16時47分17秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2019年
製作国:日本
 配給:ヒコーキ・フィルムズインターナショナル

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:26/201
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
小説家であり、母親でもある主人公・吉岡真紀(篠原ゆき子)。
スランプ中の彼女の前に、
ある日突如立ちはだかったのは、
隣の住人・若田美和子(大高洋子)。

毎朝鳴り響く布団叩きの騒音や娘への絡みなど、
真紀のストレスは溜まる一方。
執筆は一向に進まず、
おかげで家族ともギクシャクし、
心の平穏を奪われていく。

そんな日々が続く中、
真紀は美和子を小説のネタに書くことで反撃に出る。
だが、それが予想外の事態を巻き起こしてしまう。

2人のケンカは日増しに激しくなり、
家族や世間を巻き込んでいき、
やがてマスコミを騒がす大事件へと発展。

果たして、この不条理なバトルに決着はつくのだろうか。

【感想】
これすごく秀逸な設定の映画だった!
本作の元ネタは2005年に話題になった「奈良騒音傷害事件」である。
そう、いわゆる“騒音おばさん”の事件だ。
おばさんが布団を叩きながら、「引っ越し!引っ越し!」と叫んでたやつ。

今回も小説家である真紀が、
隣のおばさんの騒音に苛まれて一方的な被害者のように見える。

が!

実はおばさん側にもいたたまれない事情があったのだ。
この設定が本作の最も面白いところ。

特に秀逸だなと感じたのが、
これまで真紀側の視点で描かれていたものを、
もう一度おばさん側で映すのだけど、
相手側の演技がガラリと変わるんだよ。

真紀側の視点のときは、
自分があたかも普通で、
おばさんが嫌な人のような演技になっているのだけど、
おばさん側の視点のときは、
おばさんの口調は優しく、
むしろ真紀がヒステリックに見えるような演技になっている。

最初はおばさん側に対して、
「ああ、こういう人がいるとめんどくさいよな」
って感じるのだけど、
ひとたびおばさん側の事情を知ると、
ものすごく同情してしまい、
むしろ真紀に対して物申したくなる。
同じ人物なのに、
立つ視点を変えることでここまで印象が変わるとは思わなかった。

そして、この2人のやりとりが動画サイトにアップされたことで、
事態は思わぬ方向へ進んでいくという展開も現代風でリアル。
大型シネコンでやらないのが不思議なぐらい面白い映画だった。

“健全な”ケンカや揉めごとというのは、
本来はお互いに正義があるから起こるものであって、
どちらの言い分も正しいことの方が多いのかもしれない。

あえて他人を知ろうとしないと、
判断基準が自分の思い込みになる上に、
誰でも自分が一番かわいいから、
自分に都合のいい解釈になりがちだ。

その結果、今回のように大きな事件へと発展しかねないから、
やはり誰かと対立しそうなときは、
まずは話し合って相手を知ることが大切だなと感じる。

まあ、それが難しいんだけどねw
感情的にそこまでしたくないと思うことの方が多いし、
あえて他人を知ることのめんどくささもあるし。

そのための警察や弁護士だとは思うけどw

https://mrsnoisy-movie.com/


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