【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:130/241
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:☆☆☆☆☆(作品としてのBGMなし)
映画館で観るべき:★★★☆☆
【要素】
ドキュメンタリー
市役所
公務員
行政
【元になった出来事や原作・過去作など】
・ランドマーク
ボストン市庁舎
【あらすじ】
多様な人種・文化が共存する大都市ボストンを率いるのは、
アイルランド移民のルーツを持つ労働者階級出身の
マーティン・ウォルシュ市長(2021年3月23日よりアメリカ合衆国労働長官に就任)。
2018~19年当時のアメリカを覆う分断化の中、
「ここではアメリカ合衆国の問題を解決できません。
しかし、ひとつの都市が変われば、その衝撃が国を変えてゆくのです。」
と語る市長と市職員たちの挑戦を通して
「市民のための市役所」の可能性が見えてくる。
それはコロナ禍で激変する日本社会に暮らす私たちにもますます切実な問題だ。
私たちが知る<お役所仕事>という言葉からは想像もできない、
ひとつひとつが驚きとユーモアと問題提起に満ちた場面の数々。
ボストン市庁舎を通して
「人々が共に幸せに暮らしていくために、なぜ行政が必要なのか」
を紐解きながら、
いつの間にかアメリカ民主主義の根幹が見えてくるドキュメンタリー。
【感想】
まず、長い(笑)
4時間半以上って、
今まで観た映像作品の中で一番長い。
ただ、内容はとても興味深かった!
ボストン市庁舎での仕事の舞台裏を淡々と映していくのだけど、
「こんなこともするの?!」という驚きの数々。
いや、日本の区役所とかももしかしたらやってるかもしれないけど、
基本引っ越したときぐらいにしか利用しないからな。。。
とにかく、業務が多岐に渡りすぎてる。
警察、消防、保健衛生、
高齢者支援、出生、結婚、死亡記録など、
数百種類ものサービスを提供しているのだ。
でも、いわゆるたらい回しやシステマチックな対応とは程遠い、
人情に満ちたやり取りに心温まることも多い。
同性婚の誓いの言葉を取り仕切ったり、
駐車違反の取り締まりをしたかと思えば、
のっぴきならぬ事情を鑑みて、
違反切符を免除したりと。
他にも以下のような対応を行っていた。
・再開発に伴う立ち退きの防止策の案出し
・新しく立つ分譲物件の構造チェック
・ラテン系人種の就職支援
・有色人種の格差是正
・学校の定員を増やすべく、校舎新設の検討
・大麻ショップを開きたいアジア人オーナーと近隣住民の意見交換の場の取り仕切り
・街中に設置された監視カメラをウォッチして、交通量のチェック
・ラテン系女性の賃金を白人男性と同等にするためのシンポジウムの開催
・鳩を狩りにきた鷹の様子がおかしいという住民の対応
などなど。
もうね、「市民が快適に暮らすためのあらゆる業務」を請け負う
“何でも屋さん”みたいな印象。
日本だったら、「それどこに問い合わせればいいの?」みたいなのが、
まるっと市庁舎へ。
「何があったら311に連絡を。僕にも繋がるから」
という市長の漢気溢れる対応。
このドキュメンタリーを観て気づくのは、
様々な格差是正のための話し合いの場が設けられていたこと。
初めて知ったんだけど、
ボストンって2014年は貧富の差第1位だったらしい。
アメリカの中でなのか、
マサチューセッツ州の中でかは忘れてしまったけど。
しかも、白人の純資産の中央値が24.7万ドルに対して、
黒人が8ドルとか。
ボストンって移民も多いらしく、
そういう人種的な格差、
性別的な格差もあり、
日本とは比べものにならないほどの多様性がそこにはあった。
というか、基本単一民族の日本がどこまで多様性を叫んでも、
海外と比べてしまったら、
だいぶ事情が違うよなとも思ったけど。
そんな中で、
「市長の仕事は市民に扉を開いてやることだ」と言い、
市をよくすることで、
ゆくゆくは国そのもをよくしようと、
市民からの要望には目を通し、
様々なイベントに顔を出す市長の働きぶりがすごい。
ボストン市庁舎の仕事の舞台裏に興味があるなら観てもいいかも。
ただ、4時間半以上あるのと、
基本的にシーンが変わっても、
今ここにいるのは誰で、
何の話をしているのかの説明がないから、
ややわかりづらい部分はある(笑)
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