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リアリティを追求した制作スタイルに圧倒される『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』

2021年12月12日 17時41分33秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:146/263
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
アクション
シリア内戦
市街地戦

【元になった出来事や原作・過去作など】
・雑誌記事
 Luke Mogelson"The Desperate Battle to Destroy ISIS"(2017)

【あらすじ】
物語の舞台は、
かつては文化の中心だったが、
長引く紛争で今ではすっかり荒廃したイラク第2の都市モスル。
この地で働く21歳の新人警察官カーワ(アダム・ベッサ)は、
ISIS(イスラム過激派組織)に襲われたところを、
あるSWAT部隊に救われる。

部隊を率いるジャーセム少佐(スヘール・ダッバーン)は、
カーワをその場でSWATの一員に徴兵する。
彼がISISに身内を殺されたという、
入隊条件を満たしていたからだ。
彼らは10数名の元警察官で編成された特殊部隊で、
本部からの命令を無視して独自の戦闘を行っていた。
彼らを繋ぐ使命は秘密で、
カーワにも明かされない。

やがて手段を選ばない激烈な戦闘で仲間を失っていく中、
絶望的な状況に直面する。
それでも部隊は、
ISISの要塞へと向かう決断をするのだが──。

【感想】
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のルッソ兄弟がプロデューサーってことで鑑賞。
シリア内戦において、実際にあった「モスルの戦い」。
それに関する雑誌記事をベースにしたのが本作だ。

市街地における銃撃戦がメインで、
映画の始まりから終わりまで、
どこかしらで銃声や爆音が聞こえるぐらい、
至る所で戦闘が行われている様子は、
日本に暮らしていたら想像もできない状況だった。
とはいえ、映画として観れば、
普通の戦争映画とは何ら変わりはないかなと個人的には感じる。
むしろ、SWAT部隊の任務遂行の一部始終を淡々と描いているのみなので、
他の戦争映画と比べるとドラマ性は薄いかもしれない。

ただ、この映画で一番印象深いのは、
そのリアルさ。
それもそのはず、本作は監督の意向で、
「アラビア語を母国語とする俳優を起用しなければ意味がない」とし、
難しいキャスティングを実現させたそう。
さらに、キャストは撮影前から実際の戦地で通用するまでの軍事訓練を受けたらしく、
その本格的な制作スタイルに圧倒される。
だから、ややノンフィクション寄りな感じかな。

家族をISISに殺された者たちのみで結成された部隊。
ISISのメンバーを見つけたら容赦なく殺すところに、
彼らの復讐心の強さを感じる。
躊躇なんかしない。
見つけたら殺し、
武器や金を奪い取る。
こう言うと語弊があるかもしれないけど、
本当にゲームか何かのようだった。

でも、実戦では当然痛みを伴うし、
精神も極限まで追いつめられる。
さらに、混戦状態となると味方を撃ってしまうことだってある。
そして、弾が当たったらそこでジ・エンドだ。
そんな状態だからこそ、
警察になってまだ2ヵ月しか経っていなかった新人のカーワも、
映画が終わる頃には、
面構えが特殊部隊員そのものに変わっていた。

どの戦争映画も、
もちろん事実に基づいて作られてはいるけれど、
これはほんの4~5年前に実際にイラクであった出来事で、
場所は市街地かつ民間人も次々に犠牲になるシーンもあり、
とても生々しい内容だ。

シリア内戦の実態の一部を知るにはいい映画だと思う。

映画『モスル あるSWAT部隊の戦い』公式サイト

TOHOシネマズ シャンテほか絶賛公開中 実在するSWAT部隊の最前線を描く衝撃の戦争アクションドラマ

映画『モスル あるSWAT部隊の戦い』公式サイト

 


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