【基本情報】
原題:Onward
製作年:2020年
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:8/109
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★★
音楽:★★★★☆
【あらすじ】
ここは妖精たちが暮らす不思議な世界。
かつては魔法が当たり前であったものの、
その習得には大変な努力が必要であった。
科学や技術が進化するにつれ、
小人や妖精たちも便利な世界に慣れ、
この世から魔法は消えてしまった。
主人公はそんな魔法が消えかけた世界に暮らす内気な少年イアン(トム・ホランド)。
16歳の誕生日に、亡くなった父親からの遺言で魔法の杖を託されたイアンは、
自分が生まれる前に亡くなった父親に一目会うため、
好奇心旺盛な兄のバーリー(クリス・プラット)と共に冒険に出かける。
【感想】
ピクサー長編映画第22作品目。
今ここに『アナ雪』の姉妹愛が見事に兄弟愛へと紡がれました。・゜・(ノД`)・゜・。
死んだ父親を生き返らせるために、
怖がりな弟イアンと怖いもの知らずの兄バーリーが冒険をするっていう
シンプルなストーリーながらも、さすが安定のディズニー&ピクサーだよ。
ここのところ惜しいなって思う映画ばかり当たる中で、
やっと面白いと思える作品に出会えた。
その要因は"わかりやすい話"と"覚えやすいキャラクター"、
そして"テンポのよさ"の3つに尽きると思う。
特に、テンポのよさは他の映画と比べると強くそう感じるね。
ちょっと長いかなって思うところがまったくないんだよ。
絶妙なタイミングで必ずトラブルが起こって、ハラハラする展開に持っていく。
誰もが共感できる形で仲たがいが起こり、対立していく。
これはもう『トイ・ストーリー』のときからずっとそうで、飽きることがない。
それらをベタだとかありきたりだとかって感じる人もいるかもしれないけど、
やっぱりシンプル・イズ・ザ・ベスト。
王道だからこそ観客のターゲットを選ばない強さがディズニーにはある
(そりゃディズニー嫌いって人も一定数はいるだろうけど)。
その設計され尽くされたストーリーラインの中に、
父に会いたい気持ちと、冒険を通じて気づく兄弟愛が入っていて
ふっつーに泣いたわ。・゜・(ノД`)・゜・。
「そう来るかー」って意外な結末もよかったし。
今作はイアンが冒険を通じて成長していくことも見どころのひとつなんだけど、
映画を観ていて思ったのは、成長は環境によってしか起こらないんじゃないかということ。
彼は怖がりで何に対しても「無理だ」とあきらめてしまう癖があるんだけど、
ピンチに陥るとそんなこと言ってる場合じゃなくなる。
そこで、バーリーに煽られながらも無理と決めつけていたことが
どんどんできるようになっていくのは、
そういうピンチに陥る状況があったからこそ。
もちろん、もともと持っている素質っていうのも関係はしてくるのだろうけど、
無理にでも何かしなくちゃいけない状況にならない限りは、
人って新しいことや大きなことに挑戦しようとしないんだろうなって思った。
中には自らの意志でそういった環境に身を置けるのかもしれないけど、
世の中そんな人ばかりでもない。
そういう点においては、
物語の主人公のように気づいたらトラブルに巻き込まれていたっていうのは、
ある意味恵まれていることかもしれないね。
ただ、個人的にはイアンよりもバーリーの方が親近感がわいた(笑)
剣と魔法に憧れる中二病なんだよね。
とはいえ、この世界では本当にかつて魔法が存在したという設定だから、
中二病ではなく、歴史オタクってことになるのがちょっとうらやましいけどw
ちなみに、マーベル好きなら絶対に字幕版で観るべき。
なぜなら、弟の声をトム・ホランド、
兄の声をクリス・プラットが担当しているし、
2人とものスパイダーマンとスターロードを彷彿とさせるぐらい
ピッタリハマってるのがいい!
そして、母親がちょっとハリセンボンの近藤春奈に似ている気がした(笑)
トムホもクリプラもハマりすぎてて「なんとか実写で上手いことできんかね?」とさえおもいました(笑)
トム・ホランドの必死の叫び声はどうしてあんなに涙腺にくるんでしょうね…。
二人ともいい意味でスパイディとスターロード感が出てるのがよかったですー!
トムホの演技はさすがとしか言いようがないですね!