Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

同性愛者の苦悩と理解への歩み寄りを描いた『彼女が好きなものは』

2021年12月06日 23時28分59秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:105/257
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ラブストーリー
ヒューマンドラマ
同性愛

【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
 浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』(2018)

【あらすじ】
高校生の安藤純(神尾楓珠)は自分がゲイであることを隠している。
ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、
男性同⼠の恋愛をテーマとした、
いわゆるBLマンガを購⼊しているところに遭遇。
BL好きを隠している紗枝から
「誰にも⾔わないで」と口止めされ、
そこから2人は急接近。
しばらしくて、純は紗枝から告白される。

「⾃分も“ふつう”に⼥性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。
一縷の望みをかけ、
純は紗枝の告⽩を受け⼊れ、
付き合うことになったのだが…。

【感想】
普通のラブストーリーかと思いきや、
むしろ同性愛者であることの苦悩を描いたヒューマンドラマ。

前半は学園を舞台にした恋愛映画。
ゲイであることを隠している主人公と、
彼に恋しているヒロイン。
いつカミングアウトするのかなという、
話の盛り上がり的な期待は持っていたけど、
話としては普通の学園恋愛モノとなんら変わらなかったので、
あんまり目新しさもなく、
淡々と進んでいた印象。

ところが、後半に入って少し経ったあたりからメチャクチャ面白くなる。
ゲイであることがバレてからのすったもんだ。
「自分は異常なんじゃないか」
「いつか女の子を好きになれる日が来るんじゃないか」
そういった苦悩を胸に抱えて生きてきた背景と、
その押さえ込んできた苦しみが爆発するところが、
とても心に突き刺さる。
ずっと隠してきた自分の心の内を
素直に吐露する神尾楓珠の演技はよかった。

そんな純の想いを知り、
紗枝もずっと隠してきたことを公にすることで、
ある意味彼と同じ立場に立って、
歩み寄ろうとするスタンスも印象的。

純も紗枝も、
一昔前だったら絶対言わないままだったんじゃないかな。
もちろん、人に言えないことってのは今でもあるし、
それは本人の性格やまわりにいる人たちの理解にもよるから、
何でもかんでも話しちゃえとは思わない。
でも、お互いのアイデンティティや好みを認め合うことで、
ひとりで抱え込むことなく、
少しずつオープンにできる社会になるといいなあと思える映画だった。

映画『彼女が好きなものは』公式サイト

【ゲイ】であることを隠している僕。【BL好き】を隠している彼女。交わるはずのなかった2人の純粋でいびつな恋物語。出演:神尾楓珠 山田杏奈 前...

映画『彼女が好きなものは』公式サイト

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿