ぶらつくらずべりい

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猪幸絵「百歌繚乱より」

2010-02-17 06:06:30 | クンストカンマー(美術収集室)
駿雨のち沈黙いまも痛くない針でゆっくり殺されている

別れの場面だろうか。駿雨が優しく肌に当たっている。しかし、沈黙が針に変えてしまう。そして、ゆっくり殺される。ゆっくりは残酷である。「いまも」が現在進行形でリアルを伝える。「駿雨のち沈黙」とは駿雨を認識した後に沈黙を意識する。駿雨は止んでいない。